一方、注意を受ける側の部下も「事実」と「伝える側の思い込み」を分けて話を聞くことで、上司に反感を持ったり、イライラしたり、落ち込んだりするケースを防げるという。
例えば、部下がミーティングに遅れて参加した場合に、上司が「遅刻をするなんて社会人失格だ!」と怒ったとする。この場合は、「遅刻」という失敗をしたのは事実、「社会人失格」という評価は上司の思い込みに分類できる。
「遅刻はいけないことだが、それ以外の面では高いスキルを備えているかもしれない。上司に『社会人失格』と言われたからといって、『自分を否定された』とイライラしたり、『自分はダメ人間だ』と落ち込んだりする必要は全くない。遅刻したという事実だけを捉え、しっかり反省し、改善すればいい」
このように、多岐にわたるアンガ―マネジメントの技術を知る安藤氏だが、「日本のビジネス界からイライラを減らすには、技術を取り入れるだけでなく、人々が価値観を根本的に変えることも大切」だという考えも持っている。
「多様性を許せる価値観を持ち、自分の意見を他人に押し付けず、他人の意見を柔軟に受け入れられる人が増えてほしい。仕事の目的は成果を挙げることや、幸せになること。周囲の人に勝つことや“なめられない”ことではない、ということを忘れないでいただきたい」
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