――AI化によって消費行動は変わりますか?
ひろゆき: いままでも、企業は消費者を洗脳してコントロールする技術はいろいろと使ってきたけれど、AIを使うとそれがもっと効率的にできるようになるでしょうね。例えばいま、Twitterで「いいね」をされるとか、フォロワーが増えることに対して時間とお金を使う人たちっているじゃないですか。
古市: 「いいね」依存症になっている人、多いですよね。
ひろゆき: そうそう。いま、「いいね」をほしい人たちが何をやっているかっていうと、自分のフォロワーが喜びそうなことをしていくわけです。でも10年後くらいになると、AIのbot(特定の時間に、自動的にツイートすること)が「いいね」をしてくれたり、応援コメントを書いてくれたりするようなサービスが出てきてもおかしくない。そうすると逆に、AIのボットを使って、人間の考え方や行動をコントロールできるようになる。例えば、ある人を乱暴にしたいと思ったら、暴力的な行動をすると「いいね」がいっぱいつくようなボットをつくればいいわけです。
――すでにYouTuberの過激化とかは起きていますね。
ひろゆき: あれもまだ人間がこうしろああしろと言っているから、時間がかかる。でも、AIなら10万人のユーザーをそれぞれ個別に誘導できるようになりますよ。それができるようになると、社会も結構変わっていくかな。
古市: 逆にもっと良い社会になっていく可能性はないですか。AIを使って、犯罪を起こさないように誘導することもできるから。
ひろゆき: その可能性は低い気がします。そういうAIの需要って、まずはてっとり早くお金を稼ぐという動機から生まれるものだから。例えば、この人に多少グレーなことをやらせればお金がもうかるとなると、女の子には売春させたほうがいいし、男の子だったら脱法ドラッグを売らせたほうがいい。そういうグレーな誘導から始まりそうな気がするけど。
古市: 一気にそこまでいきますかね。
ひろゆき: AIには利益の最大化という目的だけが与えられて、どういう計算でどういう指示を出すのかは人間は分からないとすると、システムが勝手にそっちのほうに動き出すと思う。違法なことはさせないといっても、どういうことをやらせてはいけないかを一つ一つ決めていく作業はものすごい大変です。だから結局、頭の悪い人間に違法なことをそそのかすのは止められない。そそのかすだけなら、グレーゾーンだから。
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