――話を戻します。村上さんは昔から一貫してコーポレート・ガバナンス(企業統治)の在り方について言及されていましたが、ここ最近の日本企業のコーポレート・ガバナンスについては、どのように感じていらっしゃいますか?
立派な制度はできました。コーポレートガバナンス・コードですね。でも魂は、株主がまだ入れ切っていないと思っています。制度自体はとてもよくできています。持ち合いについても、買収防衛策についても書いてありますからね。
でも、みんな、本来やるべきことからは逃げている。制度で決まっていることをきちんとやってもらうのは株主の役割だし、もっというと日本企業の一番の株主は、年金と日本銀行です。そういうところが、株主として株主価値を上げてもらえるように、しっかりとやってほしい。
――グローバルな視点を持つ村上さんの目には、日本企業の一番の株主である年金や日銀はどのように映っていますか?
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人, Government Pension Investment Fund)の運用トップの人はすごい人だよ。水野(弘道)さん。本来は年収何億円と取れる人が、国のために頑張ってくれている。ファンド業界では有名な人ですよ。コラーキャピタルにいたのかな。
とにかく、お金については僕から伝えるよりも、みんなに考えてほしいんです。今回の投資部では、いかに僕を利用して何をするかが大事ですよね。お金は汚いものじゃない。単なる道具なんだということを理解してもらえればうれしいです。
森永康平(もりなが こうへい)
株式会社マネネCEO / 経済アナリスト。証券会社や運用会社にてアナリスト、エコノミストとしてリサーチ業務に従事した後、複数金融機関にて外国株式事業やラップ運用事業を立ち上げる。業務範囲は海外に広がり、インドネシア、台湾、マレーシアなどアジア各国にて新規事業の立ち上げや法人設立を経験し、各法人のCEOおよび取締役を歴任。現在は複数のベンチャー企業のCFO(最高財務責任者)や監査役も兼任している。日本証券アナリスト協会検定会員。株式会社マネネ、Twitter。
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