なぜマスコミは、企業の倒産を「社会のせい」にしてしまうのかスピン経済の歩き方(7/7 ページ)

» 2020年01月21日 08時05分 公開
[窪田順生ITmedia]
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本質から目をそらして、「世の中が悪い」

 いずれにせよ、日本の中小企業のイメージはこの半世紀ほとんど変わっていない。時代も社会構造もこれほど変わっているのに、そんな話が通用するのだろうか。

 そもそも過剰に増えた労働力の受け皿なのだから、労働力が減れば当然、数も減っていかなくてはいけない。中小企業が「淘汰」されていくのは悲劇でも異変でもなく、ごくごく自然の流れなのだ。

 増税や人手不足は確かに大きな問題だ。が、それよりも問題なのは、本質から目をそらしていつまでも「世の中が悪い」と誰かに責任転嫁をするメンタリティかもしれない。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。

 近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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