4月14日、星野リゾートは「新規開業施設とアフターコロナの旅のトレンド予測」をテーマにオンラインプレス発表会を開催した。
同社は2019年まで右肩上がりの成長を続けていたが、コロナ禍となった20年は業績が落ち、売上高は前年比19.6%減の463億円に。もっとも危険だった5月には38.5%の倒産可能性があったと明かす。しかし、マイクロツーリズムの提案を強化したことで、星のや京都をはじめ地元民の利用が急増し、稼働率は順調に回復していった。
代表の星野氏は、「星野リゾートの使命は旅の楽しさを発信し続けることであり、ホテルは地域経済とも密接に連携している。だからこそ計画を止めることなく、人々が行きたいと思う観光地に星野リゾートがある状況をつくりたい」と意気込む。
同社では21年に9施設の開業を予定しており、6月4日には隈研吾氏が設計・デザインを担当する「界 別府」がオープン。コンセプトは「ドラマティック温泉街」で、館内には和紙のちょうちんが照らす石畳の路地や土産店・夜店をイメージした空間など、別府の温泉街を思わせるつくりだ。ご当地部屋となる柿渋の間には、絵画のような別府湾が眺められるピクチャーウィンドウも。4月14日から予約が開始されている。
都市観光ホテルブランドとして展開するOMOブランドからは、4月15日に「OMO3 京都東寺」と「OMO5 京都三条」、5月13日に「OMO5沖縄那覇」が開業、秋には「OMO5 京都祇園」が開業予定だ。OMOブランドでは、友人のように気さくに近所を案内する「ご近所ガイド OMO レンジャー」による独自サービスも展開する。
星野氏は今後の運営方針として、「地方中心」「文化、自然に寄せる」「エコロジーな運営」などを強調した。
コロナ禍でもっともダメージを受け、回復が難しい都市ではなく地方の案件に注力していくこと、大自然を生かしたネイチャーツアーの強化、廃棄物のリサイクルやリユースによるエコな運営などを進めていくという。その一環として、21年2月から「星のや竹富島」では、海からくみ上げた海水の淡水化による飲料水の自給を開始したほか、世界自然遺産の登録を目指す西表島での自然保護活動を始める構想もあるそうだ。
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