――CASIO Collectionはスタンダードな時計を厳選して、そこに新製品も加えたそうですね。ラインアップを3つのカテゴリーに分けて、全部で128製品ある。そもそも、なぜ新しいシリーズをつくったのでしょうか?
畠: 2年ほど前から「シリーズ化できないか」といった話がありました。手ごろな価格の製品(カシオでは「一般時計」と呼んでいる)はブランドやカテゴリーがあいまいだったんですよね。20年ほど前に発売したモノもあれば、数年前に投入したモノもある。価格もバラつきがある中で、「どのようにすれば、消費者に伝えることができるのか」といった課題を感じていました。グルーピングすれば、よりシンプルにより分かりやすくなるのではないかと考え、3つのグループに分けました。
――STANDARD(77製品)はいわゆる“チープカシオ”と呼ばれる、定番の商品が多いですよね。SPORTS(40製品)は歩数計や気圧計などの機能を備えた時計が並んでいて、POP(12製品)は女性や子どもをターゲットにした商品を厳選している。3つのカテゴリーの中で、注目しているのはどれでしょうか?
畠: シリーズ化にあたって、新たにつくったPOPに注目しています。「新たにつくった」といっても、新製品ではなく、海外で展開しているモデルを厳選しました。なぜ“逆輸入”のような製品に注目しているのかというと、「ユーザーの幅を広げたい」という狙いがあるから。当社の腕時計は、落ち着いたデザインが多いんですよね。いい意味でいうと、多くの人に支持されるかもしれませんが、悪い意味でいうと、おもしろさに欠ける。
こうした課題を抱えていたので、海外で展開しているカラフルな色やスケルトン素材のモノを販売すれば、日本の女性や子どもにも支持されるのではないかと考えました。7月に発売したばかりですが、すでに結果は出ていまして。「F-91WS-7JH」(3300円)というモデルは、想定の2倍以上の売り上げとなりました。
では、なぜ売れているのか。SNSで「チープカシオ」が話題になっていて、若い人の間で「使ってみたいなあ」「買いたいなあ」と思う人が増えてきたのかもしれません。特に、このモデルはECサイトで売れていて、若い人との親和性の高さがうかがえました。
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