プロントコーポレーションとTechMagicがP-Roboの構想を始めたのは2018年で、実用化には4年の歳月をかけたという。プロントコーポレーション常務取締役の杉山和弘氏は「開発に際し、最もこだわったのは“おいしさ”です」と話す。
「調理ロボットの物珍しさだけでは、なかなかお店は続かないと考えています。ロボットなのにおいしい、ということにこだわって開発しました。均一な味のおいしいパスタをロボットが次から次へと調理し、きれいな盛り付けやサービスは、おもてなしの心を持った人が行います。人とテクノロジーが融合することで、持続可能な飲食ビジネスのモデルができると確信しております」(杉山氏)
開発に当たっては、苦労もあったという。杉山氏は「社内の一部では反対意見もありました。金額はお伝えできないのですが、高い開発費をかけることに社内の反発がありましたし、(開発自体が)『非現実的だ』という声もありました。そんな投資をするくらいだったら、新しい店舗を出した方がいいと言われたこともあります」と振り返る。
TechMagicの白木裕士代表取締役兼最高責任者も、周囲の意見は厳しかったと話す。
「当社は2018年の2月に『スマートフォンからワンクリックの操作で、できたてでおいしい料理を作る調理ロボットが当たり前になる世の中を作りたい』と考えて創業いたしました。投資家の方々など周囲から、『調理ロボットは早すぎるのではないか』など厳しいお言葉をいただきました」(白木氏)
そんな中でも、杉山氏が白木氏に「調理ロボット、面白いね」と声をかけて開発の構想が進んでいったという。その決断の背景には、強い人手不足への危機意識がある。
杉山氏は「外食業界の人手不足は深刻で、グループ会社で外食の人材派遣業をしているプロントサービスでも受注数の半数も供給できない状態でした」と振り返る。そんな中で、「調理ロボットなら外食業界の人手不足を解決できるのではないか」と考えた。
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