J2SE 5.0、Java 3D、JAIを基盤とするProject Looking Glass。ユーザビリティが定まらないLinuxデスクトップ分野へ、「3DでリッチなJavaデスクトップ」として送り込むSunの真意を探る。
6月28日開催のJava One 2004 San Franciscoを機に、Sun Microsystemsからオープンソースとして公開された「Project Looking Glass」。
オープンソースソフトウェア(以下、OSS)とならばぜひ触ってみなければならない。そう思い、ターミナルでwgetしだしてみた。既報にもあるように注目する有志は増えつつあるようだ(JDShelp.org)。
この特集は、今後Linuxデスクトップを先導するかもしれない「Project Looking Glass」を身近に感じ続けるべく、内部の仕組みを探り、java.netコミュニティに日々注目していくレポートだ。以降、この記事内では「Project Looking Glass」表記をプロジェクトそのものを指す場合に、「Looking Glass」(またはlg3d)はソースコードを始め実体を指す表記としていく。
まず最初に、OSS配布を始めたjava.netサイトのlg3d: Project Looking Glassページを見てほしい。Project Looking Glassとしては3つのプロジェクトがあり、コアプログラムに関する「lg3d-core」、デモアプリケーションに関する「lg3d-demo-apps」、そしてX11との関わりを担う「lg3d-x11」と分かれている。Projectオーナーには、「Java One 2004 San Francisco」で、マクニーリCEOと共に登壇された日本人の技術者カワハラ氏が名を連ねている。心強い。
記事第1回目の今回は、プロジェクト「lg3d-core」を覗き、土台作りとしてインストールから初期起動まで追ってみよう。
まずは準備だ。lg3d-coreの「How to Contribute」から「Getting started with Project Looking Glass」リンクをたどると、稼働条件として「Sun Java Desktop System Rel.1/2」、「Red Hat Linux 9」、「SUSE Linux 8.1」がサポートディストリビューションと書かれている。また、CPUクロックが2GHz以上、必要メモリ512Mバイトとあり、かなりのスペック要求だ。さらに重要なのは、SunNetwork 2003の既報からも分かるように、3DグラフィックにOpenGL、24ビットのフルカラーを推奨することだ。
また、SunNetwork 2003で公開されていたLooking GlassはOpenGL(JOGL)を介したものだったが、情報筋によると、現在公開中のものは完全にJava 3D上に再実装されているとのことだ。
不幸にも、筆者の手元にはCPUが2GHzクラスの空いているマシンなど無い。ハマるかどうかも不明だったため、レビュー掲載直後のJava Desktop System Rel.2搭載ノートPC「Linasis VA」(東京フォレックス・フィナンシャル)にインストールさせていただくことにした(上写真)。本来は、レビュー記事にもあるようコストパフォーマンス重視で比較的ロースペックなモデルのため、Looking Glassの動作環境としては厳しいことが想像に難しくない……。しかし、2GHzクラスのPCが都合付くまで待っていてはテンションが下がってしまうかもしれない、やむを得ない。
「Linasis VA」には、Java Desktop System Rel.2と共に、基盤としてJDK 1.4がインストールされている。Looking GlassのJava環境としては、J2SE 5.0(Standard Edition 1.5.0 Beta 2以上)、Java 3D SDK 1.3.2-build4、Java Advanced Imaging API 1.1.2 JDKが必要だ。それぞれのページから、JDS Rel.2向けに次のファイルをダウンロードした。SUSE Linux 8.1はもちろんのこと、Red Hat Linuxでも同一ファイルでよいはずだ。
まず最初は、J2SE 5.0ベータ2のインストールだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.