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» 2004年12月01日 00時46分 UPDATE

dev blog/CMS7分で分かる11月のBlog界 (1/2)

11月はBlogサービスの在り方を問う出来事があり、大きく揺れた。表面化したサービス提供側とユーザー側との温度差は、今後のBlogにどのような影響を与えるのだろうか。ほかにも安定化への取り組み、ツール整備などさまざまな動きがあった。

[森川拓男,ITmedia]

 今年のカレンダーも残りわずかになった。多少、暑さが戻る日はあっても、着実に寒くなってきている。どうも今年は暖冬のようだが、冬本番を迎えて寒さが増していくのは間違いない。

 さて、寒い日々が続く中、Blogサービスのユーザーが熱くなる出来事が起こった。その出来事は、大手のBlogサービス全体をも巻き込み、商用Blogサービスの在り方を問いかけるものとなった。

商用Blogサービスの在り方を問う規約表現

 プロ野球参入では楽天に敗れたライブドアだったが、マスコミへの露出効果で知名度は大幅に上がった。そんな中、livedoor Blogが利用規約の改定を行った(11月12日既報)。

 中でも「ウェブログの公開について」の変更が、ユーザーから大きな反感を買った。これまではライブドアが宣伝目的でユーザーへの通知ナシにBlog記事を利用できる内容だったが拡大され、すべてのコメントやトラックバックも含むようになった。更にユーザーの権利が制限され、ライブドアやライブドアが利用を認めた者に対して著作者人格権の行使を禁じる、というのだ(関連コラム)

 その後15日には補足されたが(11月16日既報)、規約中には書かれておらず、条文自体には「弊社及び弊社の指定する者に対し著作者人格権を行使しない」という文言が残っている。

 「宣伝、利用促進、出版等を目的」と、目的をはっきりさせたことで納得したユーザーもいるようだが、結局「等」として期間無制限で許諾する形になった上で、著作者人格権を行使しないと規定されたままであることに何の変化もない。この件に関し今後、ライブドアがどのような動きをしていくのか、注目したい。

 Blogの規約改定に関し、ほかのサービスも見直しを行っている(11月16日既報)。まず14日には「FC2ブログ」が、トップページで「ユーザーが作成した文章、及び画像等全ての創作物の著作権は全てユーザーが保有し弊社でそれらの権利は一切有さない」と表明した。

 15日には「ココログ」が、利用規約に「ユーザーが作成したホームページに係る著作権は、原則ユーザーに帰属します」という文言を追加した上で、ニフティの利用範囲を限定した。

 16日には、「のブログ」が「契約者の著作物に関する著作権は当然に契約者にあることを示しています」という一文を補足している(ブログ著作権に関する補足)。このほかにも、幾つかのBlogサービスでこの問題について触れており、規約の見直しが行われている。

 Web上では過程の情報開示があったものの、全ユーザーにはEメールで唐突に知らされた、はてなの住所登録義務化も騒動となった(11月4日既報)。

 Blogサービスによっては、登録時に住所なども登録しなければならないところもある。しかし、その場合は自分で納得して入力しているため、問題はない。はてなの場合、これまで登録しなくてもよかった住所を必須登録情報として、指定期間内に登録がないユーザーは登録するまでサービスが利用できないとしたのだ。これには多くのユーザーが反発した。

 はてなが人気の所以は、何かを重大な変更をする際は、必ずユーザーの意見を聞いてから集約するところだ。また、住所登録に関してキャンペーンを実施するとの発表も疑問を持たせてしまった。

 その後、事前の説明不足や不備などを認めてプライバシーポリシーの再改定と発効の延長、住所登録の1ヶ月延長を発表した(11月5日既報)。そして、ユーザーから改訂版プライバシーポリシーと住所登録についてのパブリックコメントを募集する(11月11日既報)。順序は逆になってしまったが、ユーザーの意見を集約しようと動いたことは大きなことだ。

 しかも、このコメント募集では、住所登録撤回までも含めた幅広い対応を行うと表明した。そして25日、はてなはユーザーの住所登録義務化の方針を撤回する旨が発表された(11月25日既報)。11月1日より25日までにすでに登録されてしまった住所データは廃棄するとも示された。これにより、一連の騒動が収束した。

 今回のライブドアとはてなの一連の騒動は、Blogサービスの在り方とは何かを、問いかけてくれたように感じる。特にユーザー側とサービス提供者側との捉え方のギャップが、問題を大きくしたようだ。実際に騒いだのは一部だけでほとんどのユーザーはあまり影響を受けていないだろう。しかし、Blogサービスが商用ベース上で拡大していく限り、この問題は小さな火種となって残っていくかもしれない。

 良い方向に進んでほしい。

既存のシステムを利用した新サービスもスタート

 11月のBlogサービスを振り返ってみよう。まず、11月にサービスが開始された新しいサービスから。

 今月で特徴的なのは、新しいシステムを構築するよりも、すでに提供中のBlogサービスのシステムを利用して構築する複数のサービスがスタートしている点だ。

 まず10日には、阪神タイガース公認インターネット接続サービス「Tigers-net.com(タイガースネット.コム)」を運営するアイテックが、Tigers-net.com会員向けBlogサービス「T-Blog(てぃぶろぐ)」をスタートさせた(11月5日既報)。これは、paperboy&co.との提携であり、同社のBlogサービス「JUGEM」のシステムをベースにしたもの。paperboy&co.は、今後も単体版やASP版のJUGEM提供を予定しているという。

 24日には、ケーブルインターネット「ZAQ」(ザック)を運営している関西マルチメディアサービスは、ZAQ接続会員向けBlogサービス「BLOGari」ベータを開始した(11月24日既報)。BLOGariは「閲覧メンバー管理機能」など独自機能があるのが特徴だ。ほかのBlogサービスと異なり、Blog開設者が登録した人にだけBlogを公開できる。

 同じく24日、富士通インフォソフトテクノロジが運営しているISP「Webしずおか」は、ニフティが提供するBlogサービス「ココログ」を利用した、静岡県内ISPとしては初の会員向けのBlogサービス「ココログWebしずおか」を開始している。当初、15日よりサービス開始するとしていたが、ニフティ側の都合で延期されていた。

 また新サービスではないが、ソニーコミュニケーションネットワークが提供するBlogサービス「So-net blog」は、9月15日より100名限定で開始していたクローズドベータテストを終了し(11月8日既報)、24日にベータ版としてサービス開始した(11月24日既報)。対象はSo-net会員(こんてんつコース会員含む)で、無料利用が可能。

 SEO対策が強化されたBlogサービス「のブログ」のベータテストを行っているNTTデータキュビットが、8日から新サーバーでBlogサービス「なブログ」の新規募集を開始した(11月9日既報)。一定数のユーザー登録があった時点で新規登録は停止されるという。

 食の話題に特化したBlogコミュニティサイト「B食倶楽部」もオープンしている(11月18日既報)。これはNTTデータのBlogサービス「Doblog」のシステムを採用し、書き手として参加するには招待が必要なソーシャルネットワーク(SNS)の仕組みを取り入れたことが新しい。

 T-Blogがスタートした10日には、Blog関連の新しいサービスも開始されている。テクスプレスが提供する「BLOG Meter」は、Blogの書き込み文字列から数値記録を自動計測し、グラフを作成する無料ASPサービスだ(11月11日既報)。

11月もBlogサービスの安定化がテーマとされた

 11月も各サービスでメンテが続いた。表示が重い、表示されないなどというトラブルもあちこちで見られる。

 次ページで各社の取り組みを振り返ってみよう。

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