HDD障害で失ったデータをリモートから復旧、「リモートデータ復旧サービス」(2/2 ページ)

» 2005年03月18日 16時21分 公開
[ITmedia]
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 RDRを利用するには、まずディスクの障害チェックやデータ復旧のためのクライアントプログラム「RDR QuickStart for Windows」をWebページからダウンロードする。これは32ビットのWindowsプログラムであり、このためサービスを利用できるのはWindowsとDOSおよびLinux Ext2/3 に限られる。このプログラムを展開し、ワイ・イー・データのRDR サーバーに接続、チェックや復旧を行う。

 ワイ・イー・データからは、このプログラムを動作させるためのコマンドなどを送信するが、この通信は80番ポートを利用するため、ファイアウォールに穴を開けなければならないのか、といった心配には及ばない。また、調査・復旧自体はクライアント側のソフトで行われ、データ自体がネットワーク上を流れるわけではないので、盗聴されないかといった心配も無用だ。もちろんリモートで診断した結果、ラボでなければ対処できないというケースもあるが、論理的なトラブルならば数時間程度で復旧できる。3Tバイトを超える医療画像データ/AIライブラリなどのRAIDシステムを修復した実績を持つそうだ。

 必要な領域を開放してしまったとか間違ってフォーマットしてしまった、RAID構成が崩れてしまったといったものは、簡単に復旧できるトラブルの代表例だ。逆に、チェックディスクを実行したりRAIDの構成を変更して書き込みを実行してしまうと、ラボ送りである。つまり、生兵法はけがの元。「まずい」と思ったら、あれこれ試してみるよりもそのままそっとしておいた方が、復旧率は高いということだ。

Ontrack RDR Ontrack RDRの概念図

 RDRを利用するためには、企業のLAN/WANやISP経由でインターネットに接続するが、ISDNなどの電話回線でも接続できる。また、スキルの高い技術者がいる場合は、復旧ソフトだけをダウンロード購入して、自社内で復旧するというサービスメニューもある。

 ストレージの障害によって失われたデータは、企業の資産である。また、失ったことによる直接的な損失以外に、ストレージが稼働しないことで業務が滞ることによる損失、それを復旧させるための労力などの損失は、時間とともに増大してしまう。ストレージの障害という事故がビジネスに与える影響を低く抑えるためには、いかに迅速にデータを復旧するかにかかっている。ストレージを設置場所から移動することなくネット越しにチェックできるのなら、とりあえず試してみても損はないはずだ。

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