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» 2005年04月05日 16時56分 UPDATE

「メインフレームとオープンシステムのいいとこ取り」──日本HP、Superdome上でLinuxをサポート

日本HP、「HP Integrity Superdome」上でLinuxをサポートするとともに、ミッションクリティカルシステムの構築体制を強化したことを明らかにした。

[西尾泰三,ITmedia]

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は4月5日、Itanium 2を搭載したハイエンドサーバ「HP Integrity Superdome」上でLinuxをサポート、ミッションクリティカルな領域でも3OS戦略で臨んでいく姿勢を明らかにした。具体的には、本日正式に国内発表が行われた「Red Hat Enterprise Linux 4」(RHEL 4)をSuperdome上でサポートするほか(6月から)、Linuxサポートの体制強化も図る。

 同日に開催された記者説明会では、日本HPテクノロジーソリューション事業統括エンタープライズストレージ・サーバ統括本部長で執行役員でもある松本芳武氏が今回のLinux新戦略について説明した。

松本氏 「スケールアウトだけですべてがまかなえるわけではない。ミッションクリティカルな領域では、スケールアップの需要も依然として多いもの」と松本氏

 既にHP-UX、WindowsではSuperdomeを活用したミッションクリティカルシステム構築で多数の実績を持つ同社だが、ここにLinuxを加え、かつ同社の仮想化技術を活用することで、「メインフレームとオープンシステムのいいとこ取り」(松本氏)な統合基盤としてSuperdomeを位置づけ、分散するITシステム環境の統合と全体最適化を実現していくのが狙いと見られる。

キーとなる仮想化技術

 今回の発表のポイントは、Superdome上でLinuxを「実用的に」使えるようになっていることである。

 そのポイントの1つは仮想化技術だ。HPの持つ統合仮想化技術「HP Virtual Server Environment」(VSE)を利用することで、平均利用率を大幅に改善しつつ、業務ごとに最適なOSを動作させることが可能となる。

 具体的には、動的にリソース配分を行う「HP Global Workload Manager」(gWLM)や、HP-UXで多くの実績を持つ高信頼性を実現するクラスタソフトウェア「HP Serviceguard」のLinux版を用意することで、「仮想スケールアウト」構成を可能としている。

 とはいえ、こうした仮想化は、現在のところ、nPars(nPartitions)と呼ばれる物理パーティション上でのみ可能となもの。2005年後半のリリースに向けて開発が進められているIntegrity Virtual Machines(IVM)が登場したところで、論理パーティションでのリソース配分も可能となる見込みだ。

 なお、こうしたリソースの動的な配分が可能となった先にあるのは、従量課金である。Windows Superdomeでは2005年度内に従量課金サービスを利用可能にすることを予定しているが、Linux Superdomeでの従量課金サービスの提供予定は、2006年初頭になる見込みであるという。

LRAに基づくLinuxシステム構築は変わらず

 もう1つのポイントはLinuxのサポート体制である。これまで同社はRed Hatに常駐するHP専任スタッフと連携をとったサポート体制を取ってきたが、今回、日本法人であるレッドハット社内に日本HP専任のテクニカルアカウントマネージャを配置したという。つまり、レッドハットは日本HPに対し、数時間(2時間程度と思われるが)以内の回答を行うことをコミットしたといえる。こうした背景もあり、日本HPはRHEL 4の24時間サポートを提供するとしている。なお、16CPU以上でLinuxを利用しようという場合でも、日本HPのエンジニアがしっかりとサポートし、性能要求を実現し、機能要求を満たしていくとしている。

 また、今回のミッションクリティカルなシステムにおけるLinuxの利用も、同社が掲げる「Linux Reference Architecture」(LRA)に基づいたものになるという。LRAは、技術的な検証結果に基づき、Linuxシステム全体を構成する製品・ソリューションの組み合わせを提示するフレームワーク。今回の発表はLRAの枠組みに、仮想化技術であるVSEが加わったと考えればよいだろう。

 「ISVの拘束から逃れるという選択肢も取ることが可能となる」(松本氏)

 LRAの図に従うならば、ディストリビューションのレイヤにはRed Hatだけでなく、NOVELL SUSE LINUXも利用可能であるはず。日本HPマーケティング統括本部インフラストラクチャ ソリューション本部マーケティングスペシャリストの服部真也氏は、「提供は可能。今回の発表は現時点での国内市場を勘案したもの」と話している。なお、SUSE LINUXに関しては、この6月からOEM提供を開始する予定であるという。服部氏によると、すでにLinuxを搭載したSuperdomeを設置して検証を進めるとともに、専任の担当者も1名アサインし、万全の体制が築かれつつあるという。

 なお、発表では影に隠れてしまった格好となったが、Superdomeの筐体内で、ItaniumプロセッサとPA-8800プロセッサの混載も可能となったことも明らかにされた。


 前日には「HP Integrityサーバ」で稼働するアプリケーションを倍増させることを目的に、ソフトウェアパートナーの支援プログラム「DSPP」(Developer&Solution Partner Program)の強化も発表している。今回の施策で、他社UNIXサーバからの移行がどれくらい進むのか興味深いところである。

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