これからは、既存システムの再利用が強力な候補として検討されることになり、さらに高価なパッケージのオペレーションへの貢献度、投資対効果への検証が厳しくなる。それは、多くの企業において高価なパッケージ・ソフトウェアのライセンス料および年額10数パーセントに上る保守料への支出に対する厳しい検証が行われることを意味する。
また、テクノロジーの進展は、一方で新しいサービスの提供を可能にしていき、投資の抑制に貢献するだろう。たとえば、新しい形のデータセンターといったサービスが提供されるようになるだろうが、これらは企業における投資・コストのみならずIT資産の軽減にも貢献をしていくだろう。
システムインテグレータ、ソフトウェアベンダーなど、サービスを提供している会社にとっては暗くなるような話かもしれない。
ただし、この動きは企業のIT部門(システム部および情報システム子会社)に対しても、ネガティブな影響を与えることであることを忘れてはならない。ただ、見方を変えれば、このような動きを可能とする・加速させるIT部門が企業に必要であるということだ。
次回は、企業のIT部門に対する経営からみた方向性および近未来の動きについて解説する。
大野 隆司(ヘッドストロング・ジャパン プリンシパル)
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