5月中旬、ボストンで開催されたSAPPHIRE '05でSAPは「Enterprise Services Architecture」(ESA)を売り込んだが、ユーザーらはさまざまな反応を見せている。
NetWeaverテクノロジープラットフォームの売り込みに拍車をかけるSAPに対して、ユーザーらはさまざまな反応を見せている。
ERPおよびビジネスアプリケーションベンダーであるSAPは5月中旬、ボストンで開催されたSAPPHIRE '05で「Enterprise Services Architecture」(ESA)を売り込んだ。ESAは、複数のアプリケーションにまたがる、エンドツーエンドのワークフローを簡単に組み上げるためのブループリントだという。その構想の中核は、NetWeaverミドルウェアプラットフォーム。SAPによれば、NetWeaverを使えば、mySAP Business Suiteと他社アプリケーションおよびカスタムアプリケーションを統合できるという。
NetWeaverの採用は段階的になるだろうとSAPの会長兼CEO、ヘニング・カガーマン氏は話す。
「これはツナミではない。あなたたちが管理できるペースでわれわれは次の重要なものを提供していく」(カガーマン氏)
ESAの製品群が進化するに伴い、SAPは伝統的なライセンス方式に基づく価格スキームから「バリューベース価格」と呼ぶ新しいものに移行していくことをカガーマン氏は示唆した。
このほかにもSAPは、4月下旬にコペンハーゲンで行われた欧州SAPPHIREでの発表に続き、Computer AssociatesやCisco Systemsを含む数社とのパートナーシップを追加発表している。
同社はまた、mySAP CRM 2005も発表した。電子メールレスポンス管理システムを含むマーケティング機能が強化されたほか、顧客らが保証や返品の手続きを自動化できるようカスタマーサービス管理機能も改善されている。同CRMアプリケーションは10月に出荷される予定。
カガーマン氏によれば、これらを含むSAPすべての製品はBusiness Process Platformの上に構築されるようになるという。
SAPPHIREではESAの進化に熱中するユーザーがいた。
「NetWeaver製品群はわれわれのビジネス戦略の一部だ」と話すのは、Network Applianceでグローバルサービスを担当するエド・ディーニハン副社長。ストレージベンダーの同社はSAPのパートナーでもある。彼は、18日午前のキーノートでカガーマン氏からステージに招き上げられた4社の顧客のうちの一人だ。
ディーニハン氏は、遠隔地のオンサイトサポートサービスを統合しようとしており、「NetWeaverを使うことによって、既に構築したシステムを捨てる必要がないと考えている。大事なことは、カスタマーの望むペースで進化できるということだ」と話す。
ペンシルベニア州マリーズビルのRespironicsでITディレクターを務めるエドワード・ピシュラ・ジュニア氏は、JavaベースのNetWeaverプラットフォームに別の用途を考えている。競争優位を確保すべく、自社のソフトウェアをカスタマイズするのに使えるという。
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