IBMと日立、ストレージ技術の相互運用性で提携

IBMとHDSは、ストレージシステムの相互運用性と互換性の拡張を目指した共同ライセンス契約を結んだ。日立のストレージシステムとIBMの「zSeries」との互換性確保のため、製品相互運用性テストでも協力する。

» 2005年05月30日 17時12分 公開
[IDG Japan]
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 IBMと日立データシステムズ(HDS)は5月26日、それぞれのストレージシステムの相互運用性と互換性の拡張を目指した共同ライセンス契約を結んだと発表した。

 さらに両社は、日立のストレージシステムとIBMの「zSeries」メインフレームとの互換性をサポートするために、製品相互運用性テストでも協力することを明らかにした。IBMはハイエンドの「TotalStorage DS8000 Series」および「Shark」ストレージアレイ用のメインフレーム接続規格であるFiconとEsconを日立にライセンスした。

 この契約に基づき、日立のストレージシステムはIBMのミラーリング/レプリケーションソフトウェア(「Global and Metro」データミラーリング技術、「z/OS Global Mirror」「FlashCopy」「Parallel Access Volumes」など)、ならびにIBMのクラスタリング技術「Geographically Dispersed Parallel Sysplex」をサポートする。

 IBMのTotalStorageソリューション部門のディレクター、チャーリー・アンドリュース氏によると、今回の提携は、ほかのストレージベンダーとの従来の提携よりも本格的なものだという。

 「単に人質(知的財産)を交換するのではなく、われわれは相互運用性および共同テストで協力することで合意した。両社の技術を連携する顧客企業のために、すべてのコンポーネントが機能することを検証するつもりだ」とアンドリュース氏は話す。

 カリフォルニア州サンタクララを本拠とするHDSでストレージアプリケーションを担当するシニアディレクター、クラウス・ミッケルセン氏によると、この提携は両社の新たな関係の出発点となるもので、今後、相互運用性テストや将来製品での管理コードの交換などで協力することになるという。「これは顧客が望んでいることだ」とミッケルセン氏。

 「期限は存在しない。われわれが共同作業を行う機能はたくさんある。両社が協力することで、IBMは新機能を迅速にリリースし、日立はその機能に素早く対応できるようになる。あらゆる面でスムーズなるということだ」(同氏)

 アンドリュース氏は、IBMが日立と同様の契約をほかのベンダーと結ぶ準備をしているかどうかは明らかにしなかった。

 「当社は従来より、日立以外の企業とも知的財産の交換を行っている。できるかぎりオープン性と相互運用性を推進したいというのが当社の考えだ」とアンドリュース氏は話す。

 「相互運用性を実現するには、双方の考え方が一致する必要がある。われわれは日立と考え方が一致した」(同氏)

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