日立ソフトの「秘文」にセキュリティ管理の新シリーズ

日立ソフトは6月2日、情報漏えい対策ソフト「秘文」の新シリーズ「秘文 Management Edition」を発表した。秘文 AEがカバーしていなかったセキュリティ管理を支援する製品。

» 2005年06月02日 17時27分 公開
[堀哲也,ITmedia]

 情報漏えい対策ソフトとして高いシェアを持つ「秘文」に新シリーズが加わる。日立ソフトウェアエンジニアリング(日立ソフト)は6月2日、「秘文 Management Edition」(秘文 ME)を発表した。クライアントPCの暗号化や持ち出し制御などの情報漏えい対策機能を搭載した「秘文 Advanced Edition」(秘文 AE)に、セキュリティの運用・管理を支援する秘文 MEを追加して、セキュリティマネジメントのPDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルすべてをカバーできるようにした。

加藤礼吉氏 日立ソフト 開発事業部副事業部長の加藤礼吉氏

 「これまで1200社120万ライセンスを出荷してきた、この分野のベストセラー製品。今年中に200万ライセンスを出荷したい」――日立ソフト開発事業部副事業部長の加藤礼吉氏は意気込む。富士キメラ総研の市場調査によると、暗号化/DRMと持ち出し制御分野で40%のシェアを誇る製品。これまでの秘文 AEシリーズでは、カバーしていなかった情報資産管理や、セキュリティポリシーの強制、ログ監査・分析といった機能を秘文 MEに搭載させ、継続的な情報漏えい対策の管理も行えるようにする。

 秘文 MEは、資産管理データベースを持ち、資産情報や脆弱情報などなどを収集/ポリシーの適用情報を監視するベースコンポーネントの「秘文 ME Secure Inspector」と、個人情報や機密情報ファイルを自動収集する「秘文 ME SI Scan Option」、ネットワークへの不正接続を監視する「秘文 ME Port Discovery」、他社のログ管理製品とも連携するログ管理の「秘文 ME Log Manager」の4コンポーネントで構成される。

 「秘文 AEはPDCAサイクルでいえば“D”の部分に相当する製品だった。監査やセキュリティポリシーの適用状態のチェックなど、MEでは残りのサイクルに対応する。暗号化しろといってもしない人もいるわけで、これらに対する強制が行えるようになる。秘文シリーズの2本立てで、ISMSのPDACサイクルを有効に回せるようする」と加藤氏。

 また秘文 AEシリーズには、新たにPCのログイン認証を強化する「秘文 AE Authentication」を加え、非接触ICカードの「FeliCa」や同社の指静脈認証装置「静紋」などとの連携を可能にする。「これら2つの認証方法を組み合わせて、ログイン時には生態認証で成りすましを防ぎ、離席にはFeliCaをPCから外してログアウトするツーファクター認証が可能になる」(同氏)

 価格は、秘文 MEシリーズのサーバソフトとなるマネージャが1台あたり30万円、エージェントが5000円〜1万円程度になる見込み。8月から発売を開始する。

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