Sun、Javaアプリケーションサーバをオープンソースに

「Java System Application Server Platform Edition」のオープンソース版は「Project Glassfish」と呼ばれ、ライセンスにはCDDLを採用する。(IDG)

» 2005年06月27日 14時47分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米Sun Microsystemsは、自社のソフトをさらにオープンソース世界に投じるつもりだ。6月27日、サンフランシスコで開催のJavaOneカンファレンスで明らかにした。

 Sunがオープンソースに本気なのかどうかをめぐる「議論はこれで終わるだろう」と同社Java Webサービス・ツールマーケティング担当副社長ジョー・ケラー氏は語る。

 同社は「Java System Application Server Platform Edition」を、同社OSのオープンソース版「OpenSolaris」で既に採用されているコミュニティー開発モデルに移行するという。これは、同ソフトがCDDL(Common Development and Distribution License)の下で利用できるようになるということだ。

 同ソフトのオープンソース版「Project Glassfish」は、Java.netサイトに置かれるとケラー氏。このソフトはまだ開発中のJava Enterprise Editionバージョン5をサポートする予定だ。

 「(このソフトをオープンソースにする上で)ボリュームと市場シェアの点では重要性は非常に小さい」とRedMonkの上級アナリスト、ステファン・オグレディ氏は指摘する。「Sunのアプリケーションサーバは明らかにBEA SystemsのWebLogicやIBMのWebSphereなどに後れを取っている」

 しかし、オグレディ氏が今回の発表に関して興味深く思ったのは、SunがCDDLに基づく製品の「エコシステム(生態系)」を構築している点だという。「Sunは自社のアプリケーションサーバの改訂に多大な時間と労力を投じてきた。2年前、そのコードはさまざまな買収の結果、非常に断片的になっていた。今や同社にはかなり堅固な製品がある」と同氏は語り、既にOpenSolarisを基盤に開発を行っている企業は、オープンソース版のJava System Application Server Platform Editionに関心を持つだろうと付け加えた。

 Sunのケラー氏によると、これまでのプロプライエタリ版Java Systems Application Server Platform Editionのダウンロード件数は300万件以上で、1カ月につき4万人の開発者がダウンロードしたことになる。

 Sunはまた、Java Business Integration仕様を完成済みで、Java.netに新たなコミュニティー「Java Enterprise Service Business」を導入する予定だとケラー氏。この仕様もCDDLを採用すると同氏は付け加えた。

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