ステイプルズで確実な効果を上げつつあるCPM(1/2 ページ)

Cognos Forum 2005ユーザーカンファレンスで、Staplesの北米ストア部門の財務担当副社長、ボーゲン氏による事例セッションが行われた。CognosのCPMソリューションは高い効果を見せ始めているという。

» 2005年06月28日 12時32分 公開
[栗原 潔,ITmedia]

 米国時間の6月27日に開幕したフロリダ州オーランドの「Cognos Forum 2005」ユーザーカンファレンスで、Staplesの北米ストア部門の財務担当副社長、ルイス・ボーゲン氏による事例セッションが行われた。

 Staplesは、世界で最初にオフィス用品のスーパーストアというビジネスを作り出した小売業であり、全世界に約1600の店舗を擁する、この分野では世界最大の企業である。日本では営業を行っていないが、業態としてはオフィス・デポ + アスクルに近いと考えればよいだろう。1986年創業、最初の10年で売り上げ30億ドルにまで急成長した(これだけの急成長を成し遂げた北米企業は同社を含めて6社しかない)。専門店(郊外の大規模店)、ほかのスーパーマーケット内での出店、カタログ通販、インターネット通販、そして契約ベースという5つのチャネルで販売活動を行っている。

 同社はこれまでにもビジネスインテリジェンス(BI)やデータウェアハウスに対して積極的な投資を行ってきたが、昨年よりCognosおよびAccentureとのパートナーシップの下にCPM(Corprate Performance Management:企業パフォーマンス管理)のイニシアチブを開始した。

計画、モニタ、分析/レポートを統合

 CPMとは、企業の最終業績に結びつくさまざまな指標を総合的に管理していくための方法論とシステムの総称である。主要なビジネス目標の設定とKPI(主要業績評価基準)の洗い出しに半年をかけ、残り1年でデータウェアハウスの構築、予算計画アプリケーションとバランススコアカードのシステム化、BIとのシステム統合を行った。現在は第2フェーズに移っており、この秋にカットオーバーが予定されている。

 システム的にはDBMSとしてSQLServerを使用し、CognosのBIツール群、予算計画アプリケーションであるEnterprise Planning(EP)、およびポータルをベースに構築を行っている。300から400人のユーザーがツールを日常的に使用している。この種のシステムとしてはかなり大規模なものだ。

 プロジェクトはまだ開発途上にあるが、既に高い効果が出始めており、ユーザーの評価も高いようだ。StaplesのCAO(Chief Administration Officer)のジョン・マホーニー氏はCPMを社内でも最も重要なイニシアチブのひとつと位置づけているそうである。

 具体的なメリットとしては、効率性(efficiency)の面で既に十分な効果が表れており、ビジネス効果(effectiveness)の面ではさらなるメリットが生まれるとみているようだ。例えば、Cognos EPの使用により、今まではペーパーワークの塊だった投資評価のプロセスが完全に電子化された。また、計画サイクルの迅速性も大幅に向上し、今までは数週間を要していたプロセスがリアルタイムで可能になったという。

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