Sunが「StarOffice 8」をリリース――Microsoft Officeとの互換性を改善

米国時間の9月27日、SunはStarOffice 8をリリースする。ユーザーの間で最も不満とされていたMicrosoft Officeとの互換性に対処している。(IDG)

» 2005年09月27日 12時16分 公開
[IDG Japan]
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 Sun Microsystemsは米国時間の9月27日、同社のオフィスプロダクティビティスイートであるStarOfficeの新バージョンをリリースする。今回のバージョンでは、ユーザーの間で最も不満とされていた問題の1つであるMicrosoft Officeとの互換性に対処した。

 Sunのクライアントシステムグループでマーケティングディレクターを務めるハーブ・ヒンズトーフ氏によると、同社はStarOfficeの店頭販売を強化すべく、米国および欧州のソフトウェアパブリッシャーと流通契約を結んだという。

 米国のEncore Softwareと欧州のAvanquest Softwareは、「StarOffice 8」のパッケージ版が10月に小売りチャネルに提供された段階で、同製品を小売店に供給する予定だ、とヒンズトーフ氏は話す。パッケージ版の価格は99.95ドル。同製品はダウンロード版も用意され、こちらの価格は69.95ドル。9月27日からSunのWebサイトから入手できる。

 Sunのプロダクトラインマネジャー、イーヤー・ベンカテサン氏によると、StarOffice 8には、Microsoft OfficeのマクロをStarOffice用のマクロに自動的に変換するマクロコンバータが含まれる。表作成やパスワード保護ファイルなどの機能をMicrosoft Officeから変換するのも簡単だという。

 ルック&フィールも改善され、Microsoft Officeのユーザーにとってなじみやすいものになった、とベンカテサン氏は話す。

 StarOffice 8のもう1つの新機能が「状況対応型ツールバー」である。これは、ユーザーがアプリケーションの特定のタスクの操作を始めると、そのタスクに対応したツールバーが自動的にポップアップするというもの。例えば、ユーザーがStarOfficeのワープロアプリケーションで表作成を始めると、表作成用のツールバーが現れるという。

 ツールバーは、ユーザーの好みに応じて、画面上の任意の場所に配置することが可能だ、とベンカテサン氏は付け加える。従来バージョンではツールバーの位置が固定されていた。

 また、StarOffice 8は、オフィスプロダクティビティスイートとしては初めてOpen Document Format for Office Applications(OpenDocument)をオフィスドキュメントの標準としてサポートする。

 標準化団体のOASIS(Organization for the Advancement of Structured Information Standards)で開発されたOpenDocumentは、XMLベースのファイルフォーマットであり、テキスト/表計算/チャート/グラフィックドキュメントに必要とされる機能をカバーする。

 OpenDocumentは最近、マサチューセッツ州が行政機関におけるすべての業務文書で同フォーマットをサポートすることを決定したことで注目を集めた。ベンカテサン氏によると、StarOfficeはOpenDocumentをサポートする初の商用オフィススイートであるため、Sunでは同スイートが普及するチャンスがあると考えている。

 SunはStarOfficeの売り上げデータを公表しておらず、また同製品が市場でMicrosoft Officeに対抗できる可能性を示す統計データも提供していない。しかしヒンズトーフ氏によると、StarOfficeとOpenOfficeのダウンロード件数は5300万を超えるという。OpenOfficeは、StarOfficeのベースとなるソフトウェアのオープンソース版。

 StarOffice 8は、Sunのオフィスプロダクティビティスイートの1年半ぶりの新バージョンとなるもの。当初、この新バージョンは7月に提供される予定だったが、OpenOffice.orgがOpenOfficeに大幅な変更を加えたことでリリースが遅れた。

 「OpenOffice.orgでの遅れが、StarOfficeのリリースの延期につながった」とヒンズトーフ氏は話す。

 「われわれは長期間に及ぶβテストを実施し、その間に多くの意見や提案を受け取った。慌てて製品を出すのではなく、きちんとしたものを作りたかった。品質の高い製品が出来上がったものと確信している」(同氏)

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