IT管理者が犯しがちな5つの過ち(1/5 ページ)

これほど長い間、さまざまなIT管理者が同じ過ちを繰り返すのを見つづけてくると、その過ちに共通のパターンがあることに否応なく気づかされる。よく見る5つの過ちと、その避け方のヒントを記しておく。

» 2005年10月04日 17時30分 公開
[Joe-'Zonker'-Brockmeier,IT Manager's Journal]

 これほど長い間、さまざまなIT管理者が同じ過ちを繰り返すのを見つづけてくると、その過ちに共通のパターンがあることに否応なく気づかされる。よく見る5つの過ちと、その避け方のヒントを以下に記しておく。

過ち#1:事後対応のみで、事前対策なし

 IT管理者が犯す最大の過ちは、責務の果たし方が事後対応的であることだ。つまり、問題が起こってから対応に慌てふためく人が多く、早くから潜在的問題に気づき、事前に解決策を用意しておく人は少ない。IT管理者に特有のことではないが、IT部門の管理者が予防的措置を怠るとなると、致命的な過ちになりうる。

 例えば、しっかりした予防意識を持っているIT管理者なら、事が起こってからその場でレスキュー計画をでっち上げたりせず、事前にちゃんと備えをしておくだろう。しかも、ハードウェア障害、自然災害、システム不調、その他、起こりうる危険の1つ1つに対応策を用意しておくに違いない。火災が発生してから消火に慌てふためく管理者は、おそらく予防意識が足りない……か、前任者のつけを払わされている。

 予防意識の強い管理者は、キャパシティ計画、アップグレード、サポートのすべての面で将来計画を考えている。たとえば、あるアプリケーションがサーバ1台で間に合わなくなったらどうするか。複数のサーバに配備することは困難か。そもそも可能なのか。オープンソースソフトウェアを配備するなら、当然、それをサポートするコミュニティーの健全さも評価しておかなければならないだろう。長い歴史と活発な開発者コミュニティーに支えられているプロジェクトなら――たとえば、SambaやApacheのようなプロジェクトなら――安心だが、3週間前にSourceForgeにデビューしたばかりというプロジェクトは、必ずしも最善の選択とは言えない。

 将来を見据えたITインフラ計画が欠如していて、そのためにひどい成長痛を経験する組織は多い。いまは5〜50人のユーザをサポートするだけで十分かもしれないが、3年後、5年後はどうだろうか。そんな将来のことまで心配する必要がないと思う管理者は、それだけでもう失格と言ってよい。

 ハードウェアは十分に吟味し、寿命とサポート期間の長いサーバや機器を選ぼう。標準外のハードウェア――とくに、バイナリのカーネルモジュールしかないハードウェア――を選ぼうとするときは、慎重さが求められる。当面はベンダーからサポートとアップグレードが得られるからよいが、数年後、そのベンダーがサポートを中止したらどうなるだろう。ハードウェアを廃棄するか、カーネルのアップグレードなしでやるかの選択を迫られる。

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