中小企業でもネット接続がほぼ当たり前のようになったなか、IP電話の導入が加速している。NTT Comは、同社のイベントで中小企業がIP電話を利用することのメリットをアピールした。
中小企業でもネット接続がほぼ当たり前のようになったなか、IP電話の導入が加速している。当初導入をためらう理由となっていた通話品質の問題も解決に向かい、電話料金のコスト削減を重要視する中小企業での利用が大きく伸びている。
NTTコミュニケーションは11月24日、同社のイベント「NTT Communications Forum 2005」のセミナーで、中小企業がIP電話を利用することのメリットをアピールした。
IP電話といえば、一般加入電話と比較した場合のコスト削減効果が強調されてきたが、現在でも企業の興味はコスト削減を狙ったものであることは変わりない。プロバイダー加入者間の通話料金が無料というのは当たり前となっており、距離の概念がなく日本全国一律の通話料金で、しかも基本料金も安価だ。
当初、導入をためらう理由として挙げられたパケット遅延などによって引き起こされる品質の問題も、事業者側が独自のVoIP網を構築して提供しているだけでなく、企業との足回りとなるアクセス回線がFTTHにシフトしつつあることで解消されてきている。
しかし、同社がアピールするのはこのようなコスト削減効果ばかりではない。IP電話専用に振られる050番号を生かした利点だ。050番号を社員個人に割り当て、個人直通のダイヤルインとして使用できる。これにより電話の取り次ぎという無駄な業務をなくすことになり、またIP電話では、異動が発生しても番号を入れ替える必要がない。
「電子メールのように入社したらパーソナル番号を個人に割り振って、転勤してもその番号をずっと使っていられる」。050番号は、「03-××××」と始まるような地域に依存した仕組みでないためにできるメリットだ。「これまで大企業中心だったダイヤルインだが、中小企業でも活用できる」。
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