RubyForge、ホストするプロジェクトの数が1000を超える(2/2 ページ)

» 2005年11月30日 10時47分 公開
[Stephen-Feller,japan.linux.com]
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言語というGem(宝石)

 アンディ・ハント氏と一緒に“Pragmatic Programmer”シリーズの書籍を執筆しているダイブ・トーマス氏はRubyについて、1995年のデビュー以来着実に成長しており、昨年RoRがリリースされて一気にブレークしたこと、またその理由として、Rubyが多くの点で使いやすく、プログラミングにかかる時間が大幅に短縮されることなどを説明してくれた。

 「Javaは企業アプリケーションの標準プログラミング言語として広く認められていますが、かつてのJavaの信者たちと話をすると、彼らの多くはRubyに移ろうとしているか、少なくともそれを検討しているようです。なぜなら、Rubyを使うとソフトウェアの開発期間が数カ月から数週間に短縮されることも少なくないからです。彼らの意見は一様に、RubyとRoRを使うと、Javaを同じように使う場合に比べて5倍から15倍も効率が上がるというものでした」(トーマス氏)

 「それなりの規模のコードをJavaで作った人なら誰でも、Javaがもはや楽しい言語ではなくなったことに気づいています。プログラマーはコーディングがまた楽しくなるような環境へと動きますが、コーディングというものは、生産的でなくては楽しくありません。そして、そのような言語に出会ったにもかかわらず、アプリケーション開発に使用しないのは、怠慢だと言われても仕方のないことです」

 Rubyはまつもとゆきひろ氏という日本人によって1993年に作成され、1995年にリリースされた。当時、日本は不景気でそれほど仕事がなく、彼は何かやることを探していた。人々がこれを使っていることが今でも信じられないとまつもと氏は言う。彼は4000人近くのプログラマーがRubyForgeで、あるいはRubyを使い始めた企業で開発していることにも非常に驚いている。

 「何か面白いものを作ろうと思って始めました。Rubyは私だけのためにデザインされた、道具箱の中のおもちゃだったのです。私たちがプログラミング言語を選ぶ際に何を優先するかがこれほど似通っているとは意外でした」(まつもと氏)

 まつもと氏もトーマス氏やキルマー氏と同じく、今年のRubyブームの火付け役になったのはRoRだと指摘する。コミュニティーが新しい人を歓迎し、何が行われるかを気軽に眺められるような雰囲気を作れば、多くの人がコミュニティーの言語をより利用しやすくなるというのが彼の考えだ。

 まつもと氏のほか数人を中心として、RubyForgeを含むRubyコミュニティーはフレンドリーで感じが良く、互いに助け合おうという雰囲気が作られているとトーマス氏は言う。“ディスカッションは礼儀正しく”というのがここでのルールであり、これは専門家同士の高度な内容のスレッドにおいても同じだ。また、質問をして激しく批判される人もいない。

 トランブレイ氏は経験豊富なプログラミング専門家やアーキテクト、Rubyを調査や趣味の目的で使う多くの人たちなど、さまざまな開発者が集まって成長を続けるコミュニティーの一員だとキルマー氏は言う。最近は専門家たちが仕事のためにコミュニティーに参加するようになったが、彼らもまた、空いた時間にRubyForgeにあるオープンソース・プロジェクトを利用して、Rubyコミュニティーに貢献しているそうだ。

 「Rubyは最も多様な開発者が集まるコミュニティーの1つです」とキルマー氏は語った。「誰もが、ほかのコミュニティーでは見られないほどRubyとRubyForgeを共に楽しんでいるようですよ」(トランブレイ氏)

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