インテル® Itanium® 2 プロセッサ×HP Integrity特別対談“過去”からの脱却──エンタープライズ・サーバー選択の新常識(2/3 ページ)

» 2006年01月18日 14時00分 公開
[ITmedia]
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3OS戦略でHP Integrityの売り上げが急拡大

ITmedia 特筆すべき数字ですね。好調な販売をドライブしている要因は何でしょうか。

松本 HPは、インテル® Itanium® 2 プロセッサにおいて「3OS戦略」を取っています。HP-UX、Windows、Linuxが同じハードウェアの上で稼動します。これは業界で広く使われているプロセッサを採用している大きなメリットのひとつです。そうすることによって市場のカバレッジが広がりました。従来は、ハイエンドだとHP-UX、フロントエンドはWindows、科学技術計算はLinuxと、それぞれに敷居があったのですが、3つのOSが同じサーバで稼動しますので、カバレッジに広がりが出ているのです。

 それぞれのアプリケーションソフトウェアが劇的にリッチになり、使いたいアプリケーションをインテル® Itanium® 2 プロセッサを搭載したサーバ上で使えるようになってきたのも大きいでしょう。「Itanium® Solutions Alliance」などの活動を通じてさらにソリューションの拡充を進めていきます。

 また、さまざまな業界でインテル® Itanium® 2 プロセッサを搭載したサーバの実績が重ねられてきています。通信、金融、製造、流通、サービスなどで、顧客にとって重要なシステムにおいて採用が始まっています。携帯電話事業者が大規模なトランザクションをこなすシステムにインテル® Itanium® 2 プロセッサ搭載HP Integrityサーバを採用しているほか、債権や為替のリスクマネジメントのように高速処理が求められている分野でも採用されています。同じような業種のプロジェクトで具体的な効果が示されることによって、顧客も安心して導入できるようになってきました。

 さらにインテル® Itanium® 2 プロセッサ搭載HP Integrityサーバでは、従来のシステムではできなかった、新しい仮想化の技術によって、顧客にさまざまなメリットを提供できるようになっています。システムの統合(コンソリデーション)を容易にしたり、システム資源を効率的に使え、それによってコストダウンという直接的な効果に結びつく仮想化技術が搭載されています。

ITmedia 厳しいワークロードに耐え得るアーキテクチャとしてインテル® Itanium® 2 プロセッサの開発が始まったわけですが、それは単にアドレス空間のことでしょうか。インテル® Xeon® プロセッサとの違いを改めて説明してください。

阿部 アドレス空間はそのうちの一つにすぎません。インテル® Itanium® 2 プロセッサはインテル® Xeon® プロセッサと大きく異なります。「インテル® Itanium® 2 プロセッサとインテル® Xeon® プロセッサは同じ64ビット、どこが違うのか?」と判で押したように聞かれますが、すみわけはできています。インテル® Xeon® プロセッサをミッションクリティカルな分野に使うかといえば、ノーです。ダイの内側はもちろん、その外側における信頼性においても、つくりが使うのです。ミッションクリティカルな業務でダウンしてはならない領域においては、シリコンレベルで可用性を高めていく必要があります。

 サーバにも頭脳があって、ボディがあり、人間と同じようなつくりをしています。頭でっかちになってもいけません。演算器からメモリに至るまですべてのバスでネックがあってはいけません。EPICのアーキテクチャに加え、インテル® Itanium® 2 プロセッサではシステムレベルでの性能や信頼性の向上を図っています。

 また、処理性能と同様に重要なのが、システム全体の柔軟性です。

 システム全体の利用効率を考えた場合、例えば毎月の締めの前にはデータベースの処理が高くなるからその部分にシステムの処理能力を、通常の場合はアプリケーション側に処理能力を割り当てるなどより柔軟なシステムを構築する際に重要となるのが、仮想化です。インテルは「インテル® バーチャライゼーション・テクノロジ」により、ハードウェア側で仮想化をより実装しやすくなり技術を投入します。それにより、より柔軟かつ管理性にすぐれたシステムを構築することが可能になります。

 インテルはプロセッサの処理性能もさることながら、プラットフォームとしてバランスの取れたものを提供していきたいと考えています。「性能」「可能性」「柔軟性(効率性)」「管理性」という4つの柱となる機能性をインテル® Itanium® 2 プロセッサというプラットフォーム上でさらに改善していきます。

システム統合のカギを握るHPの仮想化技術

ITmedia 仮想化、可用性、管理性といった共通のキーワードがおふたりから出てきました。例えば、仮想化にしても、競合ベンダーもやはり顧客にアピールしています。HPの仮想化はどこが違うのでしょうか。

松本 HPは、環境の変化に適応できる企業として「アダプティブ・エンタープライズ」を定義し、それを支えるITインフラストラクチャーを提供していこうとしています。

 HP自身が合併を経て、さまざまな環境の変化に適応できなければならないことを身を持って経験しています。もちろん、市場にはグローバリゼーションの波も押し寄せ、業界内の合従連衡や新しい競合の登場などもあります。

 そうした中、重要なことは業界で一般的な技術を使うということです。会社が合併したときに、全く異なるシステムでは統合が難しくなってしまいます。

 そしてカギを握るのは、仮想化技術です。新しい業務を追加したり、あるいは既存の業務を変更しなければならないとき、その都度、新しいサーバを構築したり、既存のサーバを組み替えるのはたいへんです。そうするのではなく、ITリソースのプールを構築し、そこからサービスに提供することで柔軟性が向上し、サーバ資源の効率化にもつながります。これが、アダプティブ・エンタープライズで考える、あるべきITアーキテクチャです。これはまさしく「仮想化」なのです。

 また、これはコンポーネント技術の視点ですが、HPの仮想化機能は業界で標準的な技術を使っています。そうした技術を根底で使っているため、HP-UXでも、Windowsでも、Linuxでも柔軟に仮想化技術を利用し、あるべきITアーキテクチャを追求できます。固有のRISCプロセッサでは、Windowsが稼動できなかったりします。

ITmedia プロセッサに機能性が搭載されても、それをうまく引き出し、さまざまな用途に生かすシステムが必要になってくると思います。

松本 HPでは、インテル® Itanium® 2 プロセッサのアーキテクチャを幅広い領域で活用しようと考えています。仮想化にはHP SuperdomeやHP BladeSystemなどスケールアップ型とスケールアウト型があります。

 スケールアウト型は、HP Integrity BL60pブレード型サーバのように複数台のサーバイメージを1台のように見せたり、複数のノードで1つのデータベースシステムを構築することで効果を上げていくものです。

 一方、大規模なトランザクション処理を行おうと思ったとき、まだまだスケールアウト型の技術だけでは対応できない可用性や性能が求められます。そこにはHP Superdomeという128プロセッサまで搭載し、シングルOSイメージで高負荷の処理を実現できるスケールアップ型を用意しています。

 HPではどちらにもインテル® Itanium® 2 プロセッサを搭載し、プロセッサレベルでの広帯域バス、仮想化機能、そして今後が楽しみな省電力機能を享受しながら、われわれも周辺チップセットを開発し、インテル® Itanium® 2 プロセッサを生かせるサーバの設計を行っています。

ITmedia 仮想化と並んで、デュアルコア、メニーコアというトレンドもあります。

阿部 さまざまな機能性がありますが、エンドユーザーへのメリットを一言で表現すれば「簡素化」だろうと思います。たくさんの資源をあたかも一つのように見せて、コストの最適化を図ることができます。ミッションクリティカルなシステムといっても24時間絶えず高負荷がかかっているわけではありません。逆に、Webサーバとして安価なサーバを導入したとしても、プロセッサの使用率が実際には10〜20%程度にすぎないとしたら問題です。いくら安価だといってもコストはコストです。企業は、柔軟に負荷を振り分け、保有しているITリソースを効率良く使う必要があります。

 仮想化技術自体は新しいものではありません。ここへきてこの技術が話題になっているのは、インテルがハードウェアで仮想化をサポートする機能を搭載しているからです。ハードウェアでサポートすることでオーバーヘッドを最小化できます。

 2006年末までにインテルから出荷されるサーバ向けプロセッサの85%がデュアルコアになると弊社は予測していますが、インテルでは15以上のメニーコアプロジェクトが進行中でコアの数も次第に4個、8個へと増えていきます。仮想化も今はソケットレベルですが、われわれはコアレベルの仮想化まで視野に入れ、増えたコアも資源として無駄にならないように仮想化技術で最適化していくことを考えています。

 仮想化の対象もプロセッサだけでなく、次はI/Oになります。そこまで進むと、インテルが提供するプラットフォーム上でメインフレームと遜色のない仮想化が実現できると思います。

松本 仮想化は恐らく、低いレベルのプロセッサから、システム、OS、ミドルウェアへと進んでいて、顧客が本当の業務アプリケーションで仮想化技術を生かして、効率化していくには、まだまだ長い道のりがあります。多くの顧客が仮想化技術の恩恵を享受しているかというとそうではなく、道半ばの顧客が多いのではないでしょうか。

 仮想化するためにはまず、システム統合していないといけません。仮想化を行えば、新たな運用形態も必要になってきます。運用形態に合わせた設計や運用要員の教育も必要になります。仮想化のメリットを享受している企業もあれば、これからというところもあります。

ITmedia 1月24日にHPとインテルが開催する「Technology Forum 2006」では、先進企業の成功事例を学ぶことができますか。

松本 ゼネラルセッションでは三井物産の粟田敏夫CIO・情報戦略企画部長に登場していただきます。同社はエンタープライズアーキテクチャを意識して、サーバの統合を積極的に進めています。

 それ以外にもブレークアウトセッションで、HP Integrityサーバプラットフォームとインテル® Itanium® 2 プロセッサでの最新技術や仮想化技術におけるマルチOS環境など、アダプティブ・エンタープライズに向かってITインフラをご紹介させていただけると思います。

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提供:インテル株式会社、日本ヒューレット・パッカード株式会社
制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2006年6月30日