ビル・ゲイツ氏が10カ月ぶりに来日、記者会見で国内におけるマイクロソフトの活動やテクノロジーの浸透状況について語った。
4月21日、米Microsoft会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのビル・ゲイツ氏が来日、東京・渋谷のホテルで記者会見が行われた。
ゲイツ氏は昨年の6月から10カ月ぶりの来日で、滞在中はPLAN-Jに基づいたNPO支援などの活動を行う予定。会見はWindows Vistaのマスコミ向け説明会に先立って午前中に行われ、ゲイツ氏は「Innovation in Japan」と題した国内におけるマイクロソフトの活動やテクノロジーの浸透状況について語った。
「今は、デジタルワークスタイルやデジタルライフスタイルを実現するための、イノベーション(技術革新)のペースが大幅に加速化している。パソコンや携帯電話など個別のデバイスを見れば、これらが大きく前進していることから、こうした変化が分かるはずだ」(ゲイツ氏)
こうした進歩の恩恵を受け、われわれの仕事や遊びのやり方は変化してきた。例えば音楽の楽しみ方やデジタル写真の整理など。これらはすべて、ソフトウェアを駆使したデジタルなアプローチが日常に普及した結果だとゲイツ氏は指摘する。つまり、ソフトウェアがこうした変革を牽引する原動力となっているということだ。
「マイクロソフトは幸運だ。わが社は創設当初からソフトウェアに着目し、パートナーと協力しながらよいものを提供することを目指してやってきた。こうした何十年にもわたる積み重ねの成果が、今日のデジタルワークスタイル/ライフスタイルの実現に集約されている」
デジタルワークスタイル/ライフスタイルの実現は、ゲイツ氏がじきじきに注力することを決めた取り組みであり、そこには並々ならないこだわりが感じられる。
昨年後半から、SQL ServerやVisual Studioといったキープロダクトの出荷、Webサービスの標準化推進といった活動を行ってきた同社だが、今後重点的にフォーカスしていくとゲイツ氏が推す製品が、2006年から2007年にかけて発売されるWindows VistaとOfficeだ。
「いまあるもの(個々のソフトウェア環境)を接続するプラットフォームとなるもの、それがVistaであり、Officeはビジネス文書の標準を作り出す。また、SharePointによるコラボレーションはOffice Systemのブレークスルーとなり、大きなインパクトを与えるだろう」(ゲイツ氏)
また、デジタルワークスタイル/ライフスタイルやプロダクトを含めたすべての基盤となるのが、どんなデバイスを使っても最新の情報へアクセス可能にする「Live」プラットフォームだ。Windows LiveやOffice Live、そしてXbox LIVEといったサービスで、ゲイツ氏はこれらを非常に重要な戦略だと述べている。
「つながるのはマイクロソフト製のデバイスだけではない。パートナーによるハードおよびソフトからも接続できる。そこでは広告やさまざまなサービスが展開され、社内外を問わないコラボレーションが生まれる。Liveプラットフォームでは、さまざまな関係が形成されて、大きなビジネスチャンスが見込まれる。開発者にはぜひLiveアプリケーションを作ってもらいたい」(ゲイツ氏)
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