従業員の生産性をサポートする新Office

米Microsoftのジェフ・レイクス氏が、2006年末にリリースされる新Officeを国内パートナーに向けて披露した。従業員のデジタルワークスタイルを変革して生産性を高めることが新しいOfficeの主眼だ。

» 2006年04月20日 15時08分 公開
[柿沼雄一郎,ITmedia]

 マイクロソフトは4月20日、都内で新Officeに関する発表会を開催、パートナーに向けた製品および戦略の説明を行った。

 2006年中のリリース(現時点ではボリュームライセンス版のみ、OEM版およびリテール版は2007年)が予定されている新Officeは、マイクロソフトのプロダクトラインの主幹となる一連の製品群。正式名称は「the 2007 Microsoft Office System」で、WordやExcel、Outlook、Visioといったデスクトップ製品からExchange ServerやSharePoint Serverといったサーバ製品までの全プロダクトと、「Office Online」や「Office Live Meeting」といったオンラインで展開されるサービスを総称する。現在は日本語版のβ1が提供されており、第2四半期にはβ2がリリース予定となっている。製品の出荷は2006年10月以降となっており、詳細な日程は未定。

 「2007 Office」の大きな特徴は、ルック&フィールの刷新だ。メニュー関連が見直しを受け、機能を簡単に見つけられることを目標にした「結果指向のUI」が新たに採用される。「リボン」や「タブ」が使われており、XMLを利用したモディファイも可能となっている。また、操作の結果が見える「ギャラリー」や、簡単に色付けや修飾といった効果を適用できる「スタイル」が用意され、作業や思考の流れを妨げずに少ないステップで作業を行うことができる。

 発表会の冒頭には米Microsoft マイクロソフトビジネス部門担当社長のジェフ・レイクス氏が登壇。レイクス氏は米国本社において、Office製品の開発、マーケティング、戦略を統括する立場にある。

米Microsoft マイクロソフトビジネス部門担当プレジデント ジェフ・レイクス氏

 レイクス氏は、同社がフォーカスする「デジタルワークスタイル」を実現するプロダクトとしてOfficeを紹介。経済活動におけるナレッジ(知識)の資産が、従来の土地や建物といった古い資産の合計よりも大きくなった現在では、デジタルワークスタイルの「The New World of Work(新たな仕事環境)」をいかに実現していくかが重要であると述べた。人々の生産性向上のため、そしてビジネスを成功に導くためのソリューションがOfficeであるという。

人々や情報はつながった。次は?

 人々が生産するデータ量は飛躍的に増加しており、個人が一年間に作るデータ量は800Mバイト以上といわれている。また、過去数カ月間だけ見てもおよそ10億人がインターネットを利用するようになったという。あるリサーチによると、昨年末までに8億7千万のIMアカウントが確認されており、2009年までにはそれが12億に増えるだろうと予測されている。

 こうした情報を利用するとき、人々が最も多くの時間を費やす作業が検索であるとレイクス氏は指摘し、こう断言する。

「ここにチャンスがある。ソフトウェアを利用して情報の可視化や検索能力を強化し、人々の課題を解決できる。スコアカードやダッシュボードを利用したビジネスパフォーマンス管理なども、ソフトウェアのなせる業だ」(レイクス氏)

 レイクス氏は続ける。「さらに注目すべきなのは、『One World Of Business』と呼ばれる、企業間連携やコラボレーションの重要性だ。地理的な問題の解決ではなく、各組織間の問題を連携して解決することこそ重要なのだ」(レイクス氏)

 「米国では過去6〜7年間で在宅勤務の従業員数が2倍になったといわれている。全世界では2800万人が遠隔地(リモート)で仕事している。これをソフトウェアでサポートしていくことがわれわれのプライオリティだ」(レイクス氏)

 こうしたワークスタイルの変化を捉えながら、コンプライアンス遵守や透明性の確保といった企業の活動をサポートしていくことがマイクロソフトとそのパートナーに求められているのだとレイクス氏は述べる。そのための投資や支援活動を今後も継続していくことをレイクス氏は約束した。

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