Linuxコミュニティーがフリー版Linspireに対してどのような反応を示すかを想像するのはそれほど難しくない。では、同社はFreespireを提供することで何を得ようとしているのだろうか。
1つは、同社がLinspireに注目してくれる人々を増やそうとしている点にある、とカーモニー氏は話している。同社は、Linuxディストリビューションに関心があるOEM業者向けのLinspireの販売で問題に直面しているという。そうした業者の技術者たちは、LinspireではなくMandrivaのようなディストリビューションに慣れ親しんでいるからだ。
Linspireはコミュニティーが独占的ソフトウェアや「バイナリのドライバに対してもっと寛容に」なることを望んでいる、ともカーモニー氏は語る。彼は次のように述べている。完全にオープンソースなオペレーティングシステムは一般の人々にはふさわしくない。WindowsからLinuxに乗り換えた多くのユーザーは、マルチメディアのコーデックなど、Windowsで使っていた機能がないことに気づくだろう、と。「さらに、コミュニティーは Linspireが提供するものを必要としているし、われわれはコミュニティーがもたらすものを必要としている」
Linspireは、同業者からの圧力に屈しつつあるのかもしれない。ホワイト氏は、「あらゆるディストリビュータは、基本的にこの道を歩もうとしている。多くのディストリビュータは、FedoraをリリースしたRed Hatをあざ笑ったが、今ではどのディストリビュータも同じことをしているように見える」と述べている。また、LinspireがCNRをうまく広めるというなら、それもいいだろう、とも話している。
カーモニー氏によると、LinspireはLinux開発者のコミュニティーの外側にも目を向けているという。「われわれはUbuntu開発者の後を追うつもりはなく、Windows開発者の後を追っているのだ」
「普通の」ユーザーにLinuxを使ってもらおうと数多くの取り組みが行われている中で、Linspireがその障壁を取り払う役目を果たせるかどうかは興味深い。ホワイト氏は、Linspireは「Linuxの非常に実用的な面をアピールしようとしている」し、独占的ソフトウェアを積極的に取り込むということは「初級ユーザーをこの上なく強力な原動力として認めること」だ、と語っている。
Copyright © 2010 OSDN Corporation, All Rights Reserved.