ITmedia 買収したSRDの「身元分析」とはどんな機能で、どのように活用するのでしょうか。
ゴヤール SRDの技術は当初、犯罪者追跡を支援する目的で開発されたものです。われわれは、人名を分析する技術のLanguage Analysis Systems(LAS)も買収しており、これらを組み合わせると、複数のデータベースから身元や、どの組織に属しているかを割り出すことができます。政府レベルのさまざまなデータベースを調べることができれば、それだけ精度の高い情報が得られるはずです。こうした技術は、政府機関だけでなく、例えば金融機関が顧客の情報を管理する上でも役立つはずです。Information On Demandというのは、さまざまな業務の実際の問題を解決するという意味合いもあるのです。
ITmedia たくさんの製品を組み合わせて優れたソリューションを提供するのは分かるのですが、Oracleはデータベースの巨人として認知されていますし、MicrosoftもSQL Serverの使い勝手の良さを売り込んでいます。IBMはどのように市場に優位性をアピールしていくのでしょうか?
ゴヤール われわれは、開発者やユーザーコミュニティーを支援すべく、無償バージョンの「DB2 Express-C」を提供しています。また、XMLをネイティブでサポートした初のハイブリッドデータベースである「IBM DB2 Viper」のリリースも控えています。われわれは、将来のシェアにつながるマインドシェアを獲得しているといえますし、実際のところ、データベース市場全体の成長は年率3〜4%といわれる中、2桁成長しています。IBMのシェアは拡大しているのです。
IBMの製品群が複雑すぎるとの指摘でしたが、この分野の問題というのは分かりやすいものもあれば、複雑なものもあります。先ほど引き合いに出したデジタル家電メーカーのマスターデータ管理はとても複雑な問題を解決するものでした。DB2 Express-Cをインストールすれば済むというものではありません。
つまりこの市場は、ハイボリューム市場とハイバリュー市場に2極化しています。Information On Demandというのは、業務の改善策を提供するという高い価値をもたらすのです。逆にDB2 Express-Cはコモディティーとしてハイボリュームに対応します。
IBMは、コンテント管理ではFileNetやEMC Documentumと競合し、情報統合ではInfomaticaと競合し、マスターデータ管理では並ぶものはありません。深度のある包括的な製品ポートフォリオをそろえ、情報管理のニーズすべてに対してこたえられるのはわれわれだけです。OracleやMicrosoftは、アプリケーションの事業に逃げていますが、われわれは情報管理の分野できちんと成長を遂げていくことができます。
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