日本市場で求められるデータベース機能を挙げてみる進化する!データベーステクノロジー(3/4 ページ)

» 2006年05月26日 07時00分 公開
[ITmedia]

運用状況に自動的に対応する自律運用機能

 HiRDBでは、自律運用の機能も大幅に強化された。まず挙げられるのが、オンラインスケールアウト機能である。この機能は、運用状況に応じたリソース配分、あるいは負荷の急増に対応するために、事前に決定したポリシーに従ってデータベースサーバの構成を動的に変更するものだ。これまでは、各業務アプリケーションのピークを想定してリソースを割り当てていたが、オンラインスケールアウト機能はシステム全体のリソース配分を最適化してデータベース構成を自動的に変更したり、急激な負荷増大時にはオンラインの台数を増やしたりすることをサービスを停止することなく自動実行できる。

 データベースサーバの構成ポリシーは、日立の運用管理ソフトウェア「JP1」にシナリオとして登録しておく。HiRDBでは、ポリシーを容易に定義するために構成変更の手順を自動化したシナリオテンプレートを提供している。方法は、このテンプレートに含まれるサーバのホスト名など6つのパラメータを実際の環境に合わせてカスタマイズするだけだ。作成したシナリオは、JP1のジョブネットとして運用のスケジューリングを行う。また、しきい値を設定し、アラートを検知した場合にジョブネットを実行する使い方もできる。

 こうしたオンラインスケールアウト機能の基盤となっているのが、Active-Activeクラスタと呼ばれる技術である。従来はクラスタ構成にする場合、待機系サーバを別に用意しておく必要があったが、Active-Activeクラスタでは稼働中の別のサーバに処理を負荷分散することで待機系サーバを不要としている。

 さらに自律運用機能として強化されているのが、データベースの自動メンテナンス機能である。最新版で追加されたのは、データベースの状態を監視する機能、データベースの断片化状況によって再編成時期を予測する機能、適切なメンテナンス実施方法を提示する機能などである。例えば、データベースは、データの挿入、変更、削除などの処理を繰り返し行っていると、データの断片化が起きて性能が劣化するが、こうしたデータのデフラグメントをいつ実行すればよいか、データベース管理者に通知できる。

データベースの断片化状況によって再編成時期を予測する「自動データメンテナンス」

Copyright© 2010 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ