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» 2006年07月07日 08時00分 公開

新たな情報手段「ブログ/SNS」の現状とこれから 第1回:ブログ利用者の約半数は複数運営

ブログやSNSの利用は国内でも急速に増え続け、いまやメール、ウェブに次ぐインターネットメディアとなることが期待されている。そのサービスの提供者側の動向は日々伝えられているが、利用者側の観点を客観的にとらえた調査や研究は少ない。そこで、NEC総研が3月に実施したアンケート調査(※1)の結果から一部を報告する。

[成川泰教(NEC総研),アイティセレクト]

新たなインターネットメディアとして

 日本でもブログやSNSなどのサービス利用者が急拡大している。特にSNSについては、3月に国内最大のサービス「mixi」の会員が300万人を突破したと発表された。ヤフー、楽天といった国内最大手のインターネットサービス事業者も相次いで同分野に参入した(※2)。世界最大のSNSサービスである「マイスペース」も、年内にも日本に参入すると一部で報道されている。

 これらサービス提供者の動向が活発化する一方で、ITユーザーでもある企業や自治体などにおいても、それぞれの思惑から独自にブログやSNSを立ち上げる動きが昨秋あたりから賑やかになってきている。顧客と企業の新たな関係を模索するものや社内の情報や知を有効に活用するもの、地域の交流を密にするものであったりと、目的はさまざまである。いまやブログやSNSは、メール、ウェブに次ぐ新たなインターネットメディアとしての期待が高まっている。

 当然のことながら、こうしたニーズが高まっている最も根本的なところには、ブログやSNSの魅力に引き寄せられて集まっている、多くの生活者の存在がある。「集まっている」という表現だと、ともするとテレビや雑誌などの従来型メディア同様に受動的な意味に受けとめられてしまうかもしれないが、これらの新しい仕組みは生活者自身の参加や表現を中心とするメディアであり、情報流通構造の非対称性という点において従来のものとは大きく性格を異にするものなのである。

 そのようなサービス提供者やそれを活用しようとする企業などの動向は日々伝えられる通りであるが、利用者である生活者がそれらをどのように活用し、そこに何を求めているのかという点については、個々人それぞれのブログやSNSでの活動がファクトとしてあるものの、全体的な動向を客観的にとらえた調査や研究はまだ少ない。

 そこで、新世紀情報社会における新たな情報手段としてのブログやSNSの利活用について考えるにあたり、手前味噌ではあるが、NEC総研が3月に実施した生活者アンケート結果の一部を紹介したい。生活者がそれらの手段をどのように活用しているのかという実態を垣間見ることで、その現状をとらえ、新しい手段のこれからについて考えてみることにする。

 アンケート調査ではインターネットを用い、ブログとSNSの2つのサービスについて、実際に自己表現や情報発信、参加という意味において能動的に活用している生活者800人をあらかじめ特定した。特徴として、ブログあるいはSNSのいずれか一方だけを利用している人と両方を利用している人という3つのグループを想定し、それぞれ同じ人数を集めてある。ブログとSNSはサービスや機能の点で似ているところが多いため、そのようにグループ分けすることでグループ間の比較を可能にし、ブログやSNSの使い分けや区別について生活者の意識と行動を調べることができると考えた。

 基本属性の内訳は、男女比を半々とし、それぞれを4つの年齢層に分けた。調査項目では、サービス事業者別の動向に関する視点は極力排し、ブログやSNSというサービス一般の固有の機能に関する質問を中心に、両者の類似性にも配慮する形で設定した。質問群はそれぞれのサービスごとにまとめ、両方のサービスを活用しているグループには両方の質問群について回答を得てある(以下、特に断り書きがない限り、「ブログ利用者」「SNS利用者」はそれぞれ、両サービスの利用者も含む)。

 その調査結果として、ここではサービスとのかかわりについてだけ報告する。

ブログは複数、SNSは1サイトだけで

 サービスを始めてからどのくらいの期間が経過しているかという点について、ブログでは、「過去1年以内」という人が全体の約半数、「過去2年以内」では同8割以上という状況であった。SNSについては、やはり最近のブームを反映した結果となり、全体の7割以上が「1年以内」だったほか、「半年以内」と回答した人も同4割を超えた。このことからも、SNSはまだ新しいサービスであることが分かる。

 一人で複数のブログを運営したり、複数のSNSを掛け持ちして参加している状況としては、SNSで全体の4分の3が「1つのサービスだけに参加している」という結果だった一方で、ブログでは「2つ以上を運営している」人が全体の半数近くに上った。1つのブログを続けるだけでもそれなりに大変なことと思えるだけに、意外な結果である。

 そのほかの結果については、次の機会で説明したい(「月刊アイティセレクト」掲載中の好評連載「新世紀情報社会の春秋 第三回」より。ウェブ用に再編集した)。

成川泰教(なりかわ・やすのり)

株式会社NEC総研 調査グループチーフアナリスト

1964年和歌山県生まれ。88年NEC入社。経営企画部門を中心にさまざまな業務に従事し、2004年より現職。デバイスからソフトウェア、サービスに至る幅広いIT市場動向の分析を手がけている。趣味は音楽、インターネット、散歩。


※1 調査結果は6月15日、「ブログ・SNS利用者の実像〜人々は何を求めているのか〜」として発売された。下記サイト参照。

※2 ヤフーは2月28日、「Yahoo! 360°」(仮称)の名称でβ版のサービスを開始した。楽天も3月27日、「楽天広場リンクス」としてすでに本稼動している。

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