No.1 UNIXベンダーのIBM、「価格性能」と「仮想化」で顧客に価値をIBM Power Seminar 2006 Report(2/2 ページ)

» 2006年10月12日 07時30分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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 「IBMのUNIXサーバが首位に躍り出たのは、ミラクルではなく、努力の成果だ。価格性能と仮想化技術によってビジネスバリューを提供しているからだ」と話すのは、System pのマーケティングを統括するカール・フロイント副社長。「しかも、われわれはロードマップに基づき、きちんと製品化してきた。ライバルたちは、製品が遅れ、ロードマップを売るしかなかった」と手厳しい。

 2007年第2四半期末には、4〜5GHzで動作するPower6のリリースも予定されており、パフォーマンスはさらに2倍に引き上げられるという。

システム性能をフルに引き出す仮想化技術

 ライバルたちを圧倒する性能を効率良く生かすには、仮想化の技術が不可欠だ。1973年にS/370が物理分割(PPAR)をサポートしたのを皮切りに、1987年にはメインフレーム上で論理分割(LPAR)もサポートした。以来30年、IBMは仮想化技術をリードしてきたと言っていい。現在のPower5+とAIX 5Lの組み合わせでは、1つの物理的なプロセッサを最大10の論理区画に分割し、負荷に応じてCPU資源をアプリケーションに対して動的に割り振ることができるという。

 「System pで仮想化を図れば、TCOを最大62%削減できるほか、新しい仮想サーバを分単位で配備することもできる」とマウリ氏。単なるコスト節約だけでなく、System pであれば、新しい製品やサービスを投入して差異化を図りたい企業をきちんと支援できることを強調する(仮想化については別記事を参照)。

 また、ここへきて企業のデータセンターでは、消費電力削減が課題となっている。データセンターの年間運営コストの25%から40%を電源や空調が占めるというデータもある。仮想化は、こうした消費電力を抑える最も効果的な手段でもあるのだ。

 仮想化は、8月初め、IBMがニューヨークで発表した「Cool Blue」構想の一環でもある。仮想化技術によってCPUの使用効率を高めることができれば、それによって負荷がなくなったCPUはパワーオフしてしまえばいいからだ。IBM PowerExecutiveと呼ばれるツールを使えば、消費電力の上限を設定できるほか、ポリシーに基づいて動的に電力を再配置できるようになるという。

今年はAIXが生まれてから20年という記念すべき年でもある。今回のカンファレンスでもステージにケーキが運ばれ、盛大に祝った。左からSystem pのアジア太平洋地域におけるセールスを統括するトニー・デボア副社長、マウリGM、フロイント副社長、そして日本IBMでSystem p事業部を統括する武藤和博事業部長
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