次世代XML-EDIの普及に向けウルシステムズとサイベースが協業

ウルシステムズとサイベースは共同で、国内流通業を対象とした次世代XML-EDIパッケージ製品「UMLaut/J-XML」オールインワン製品を提供していく。

» 2006年10月31日 15時32分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 ウルシステムズとサイベースは10月31日、日本国内の流通業を対象とした次世代XML-EDIパッケージ製品の提供に関し、協業していくことを明らかにした。

 ウルシステムズはこの発表に先立つ10月18日、オールインワン型の次世代XML-EDIパッケージを発表している。同社が独自に開発したXML-EDIソフトウェア「UMLaut/J-XML」とサイベースのデータベース「Sybase Adaptive Server Enterprise 15」に加え、ebXML通信ソフトウェアとOS、サーバ本体をひとまとめに提供するもので、ワンボックスタイプとラックマウントタイプの2種類が用意されている。

 UMLaut/J-XMLの特徴は、国内流通業界における主要な取引データ交換方式であるJCA手順に代わり、日本チェーンストア協会や日本スーパーマーケット協会が検討を進めている次世代XML-EDI標準に対応していること。これにより、XMLベースの受発注メッセージをインターネットを介してやり取りすることができ、安価な電子商取引を実現する。

 オールインワン製品ではさらに、必要なハードウェアやデータベースを統合した形で提供する。導入までのコストや期間を削減することができる点が、特に中小、中堅規模の小売り/卸売り企業にとってのメリットだ。

 ウルシステムズ代表取締役社長の漆原茂氏は、オールインワン製品に組み入れるデータベースとしてSybase ASEを選択した理由を、「中小企業向けとはいえ基幹の受発注業務を担うことから、コストだけでなく、パフォーマンスやスケーラビリティ、信頼性といった面を考慮して採用した」と述べた。

 一方サイベースの代表取締役社長、早川典之氏は「今後も、ソリューションの中に組み込まれたリレーショナルデータベースというビジネスを伸ばしていきたい」と述べ、流通業向けの協業を皮切りに、さらに5〜6種類の市場に向けて同様のビジネスモデルを展開していく方針を示している。

 UMLaut/J-XMLオールインワン製品の価格は、1台にすべてのソフトウェアをインストールしたワンボックスタイプが850万円から、ラックマウントタイプは個別見積もり。12月より販売を開始し、今後3年間で100社以上への導入を目指すという。両社は今後、互いの販売パートナーを介して同製品を提供していくほか、共同でのセミナー開催なども予定している。

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