開発は難しい? そんなイメージはWebアプリケーションの登場で過去のものとなりつつある。アイデアさえ持っていれば、すぐにでも作り上げることができる環境が整ってきているのだ。
この特集では、Galleryに登録済みの自作Liveガジェット「ITmedia Enterpise Liveガジェット」の開発体験談を紹介しよう。
この記事の前半となる「解き放たれるPCホビイスト――面白いから作る今どきの開発」では、“PC上で物を作り上げる楽しさ”を中心に述べた。その楽しさがLiveガジェット開発にある……。これこそが筆者がハマってしまった理由なのだ。
SDK(ソフトウェア開発キット)に含まれるLiveガジェットのサンプルソースを見ると、JavaScriptを知っている人であっても、よく分からない記述が多いと感じるかもしれない。
それによって、Liveガジェットを作るのは難しいと思い込んでしまうのでは? というのが筆者が心配するものの1つだ。
しかし、心配はいらない。
なぜかといえば、「既にサンプルソースに書かれたことを、改めてあなたが書く必要はない」からだ。
そう……。サンプルソースは書き方を学ぶお手本ではなく、具体的なコードを切り取って持ってくることが許された資産の宝庫なのだ。
そして「サンプルソースの意味をすべて理解する必要はない」ということにも注意を払おう。理解する必要があるのは、サンプルソースの個々の記述が何を実現しているのかである。
例えば、GetFeedメソッドはRSSフィードを受信する機能を持っている……と理解してしまえば、そのメソッドで使われているWeb.Network.createRequestメソッドの正確な機能や使い方を理解する必要はない。GetFeedメソッドごと切り取ってもらってくればよいのだ。
結局のところ、筆者がLiveガジェットを開発するために理解する必要があった知識は以下の2つでしかなかった。
1)思い通りの画面を作り出す方法
2)イベントを受け取って処理する方法
ちなみに、単に情報を表示するだけで対話性がないLiveガジェットであれば、「2)」の知識すら必要ない。
そして、更に強調しよう。
この2つの知識も、分かってしまえば大したものではなかった。
「1)」は、DOMのcreateElementメソッドなど、個々のノード単位でドキュメントを作成する「よくあるDOMプログラミング」を適切なメソッド内に記述するだけである。これはSDKのHelloサンプルソースを見て理解した。
「2)」は、NotepadGadgetサンプルソースに含まれるイベントの登録、解除のメソッド(doAttachEventとdoDetachEvent)を切り取ってもらってくるだけの手間であった。
あとはそれらの知識を、RssGadgetサンプルソースに注ぎ込むだけである。RssGadgetという固有名をITMediaHeadlinesという新しい名前に差し替えた後、残されているのは、ごく普通のJavaScriptプログラミングに過ぎない。
それでは、実際にソースコードを書き換える手順を見てみよう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.