ドキュメント管理機能を一新したSharePoint Server 2007(3/4 ページ)

» 2007年03月19日 10時15分 公開
[Chris Alliegro,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

コンテンツ分類の改善

 WSS 3.0では、ドキュメントのタグ付けと分類を、WSSの従来バージョンよりも柔軟に行えるメカニズムを提供する、コンテンツタイプという新機能が導入されている。コンテンツタイプでは、特定のタイプのドキュメントなどのコンテンツを記述するために使われる一連のプロパティや設定(メタデータ)が指定される。

 WSS 3.0には、あらかじめ定義されたさまざまなコンテンツタイプが用意されている。中でも、Dublin Core Columnsというドキュメントタイプは、電子ドキュメントを記述するためのメタデータの標準化を進めるDublin Core Metadata Initiativeが定めた属性を含んでいる。また、企業はゼロから、あるいは既存のコンテンツタイプを拡張して、カスタムコンテンツタイプ(例えば、「経費精算書」や「人事考課表」など)を定義することもできる。各コンテンツタイプについて、企業は以下のような必須または任意の特性を指定できる。

  • メタデータプロパティ。例えば、人事考課表で必須の「考課期間」プロパティなど
  • 当該コンテンツタイプの新しいドキュメントを作成するためのテンプレート
  • 当該コンテンツタイプがどのように処理されるかを規定するワークフロー。例えば、経費精算書の承認ワークフローなど

 WSSの従来バージョンでは、メタデータプロパティはドキュメントライブラリについて設定され、各ライブラリには、ライブラリ内のドキュメントを分類する列のセットが対応づけられていた。このため、ライブラリ内のすべてのドキュメントが事実上同じタイプのものだった。WSS 3.0のコンテンツタイプは、この制約を解消する。管理者はコンテンツタイプを、ドキュメントやドキュメントライブラリとは無関係に定義して管理でき、必要に応じてコンテンツタイプをドキュメントに適用できる。ドキュメントがどこに保存されているかにかかわらず、同じコンテンツタイプを複数のドキュメントに適用することが可能だ。さらに、1つのライブラリに複数のコンテンツタイプを含めることもできる。このため、企業はテキストのリポートと、数字をまとめたスプレッドシートなど、関連するドキュメントを同じライブラリに格納できる。

コラボレーションを支えるWorkflow Foundation

 WSS 3.0は、Windows Workflow Foundationによるワークフロー機能を提供する。開発者はこの機能を利用して、あらかじめ定義されたビジネスプロセスに沿ってユーザーの作業を円滑に進行させるワークフローを作成できる。例えば、プレスリリースが、必要な厳しいチェックを経てスケジュールどおりに発表されるように、プレスリリースの作成者、レビュアー、そのほかの関係者の作業を調整して連携させる、プレスリリースの承認プロセスを作成するといったことが可能だ。

 また、企業はVisual StudioやSharePoint Designer 2007などのツールを使ってカスタムワークフローを作成することもできる。後者はWebサイト作成ツールのFrontPageに代わる製品だ。

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