第4回 Skype専用携帯電話の「使える度」再考・ワイヤレスネットワーク(1/3 ページ)

Skypeの難点は、基本的にPCの環境がないと通話ができないこと。だが、Skype専用携帯電話を使えば、無線LAN環境さえあればPCいらずで通話できるのだ。果たしてその使い勝手はいかに?

» 2007年05月01日 07時30分 公開
[池田冬彦,ITmedia]

連載「再考・ワイヤレスネットワーク」では、本記事を含む以下の記事を掲載しています。

【第1回】わたしがモバイルをしたくない理由

【第2回】なぜ、我が社には無線LANがない?

【第3回】「FONはビジネスに使えない?」のホントとウソ

【第4回】Skype専用携帯電話の「使える度」(本記事)


 Skypeは世界中どこでも無料で通話ができる画期的なツールだ。日本国内はもちろん、海外への通話も同じSkypeユーザーなら一切料金はかからない。国内各地域に拠点を置く企業が内線電話として使ったり、海外との通話が多い企業には特に重宝するだろう。ノートPCとUSBフォンさえあればどこにいても着信を受けられるので、出張がちなビジネスマンにもメリットは大きい。

 しかし、Skypeの泣き所は「Skypeソフト」が起動していないと通話ができないということ。当然ながら、PCをスリープあるいは電源を落としてしまったら、Skypeからの着信は当然受けられないし、着信があったことすら分からないのだ。結局、相手が出ないので携帯電話にかけるということもしばしばだ。

 ロジテックのSkype専用携帯電話「LAN-WSPH01WH」はこんな悩みに応える強力なアイテムだ。IEEE 802.11b/gに対応し、ワイヤレス環境が整備されたオフィスであれば、携帯電話と同じ感覚でSkypeを利用できる。しかも、「FON」や「livedoor Wireless」にも対応しており、屋外でも使えるのだ。早速、使い心地を確かめてみることにしよう。

使用感は携帯電話と同じ

 LAN-WSPH01WHは、幅49×高さ115×奥行き18mmと一般的な携帯電話とほぼ同じ大きさで、重さはバッテリーを含めて104グラム。胸ポケットに入れて気軽に持ち歩ける。正面には1.8インチカラー液晶ディスプレーを配し、各種ボタン類が下に並んでいる。カーソルの移動などのメニュー操作は中央のトグルスイッチを上下左右に動かして操作する。本体下にはUSB端子とヘッドフォン端子が装備されているが、USB端子は充電用でデータ転送などは行えない。

画像 本体の大きさや重さは一般的な携帯電話とほとんど変わらない

 電源を入れると起動画面が表示され、近隣にある無線LANのAPを自動的に探索する。初期設定ではWPA2/WPA/WEPが有効でないAPに自動的に接続するように設定されているが、後でAPを登録し、そのAPを「自動的に接続」または「優先するネットワーク」に登録しておけばよい。任意のAPへは「ネットワークの一覧」を表示させ、リストからAPを選んでWPA2/WPA/WEPキーを入力すればOKだ。

 また、あらかじめ複数のAPを登録しておけば、場所を移動したときに自動的にAPを検索して、そのAPに接続する機能もある。利便性を考えれば事前登録が必須だが、携帯電話と同様のキー操作でSSIDやパスワードを入力するのは面倒だ。このあたりは、PCで登録してUSB経由でデータを転送できるような仕組みが欲しい。

 ネットワークの接続が終わったら、Skypeのログイン画面からSkype名とパスワードを入力してログインする。コンタクトリストがダウンロードされ、コンタクトメニューから発信先を選んで電話をかけられる。また、LAN-WSPH01WH上でSkypeユーザーを検索したり任意のユーザーをコンタクトリストに登録することも可能だ。

画像 検出された任意のAPを選んで接続する
画像 「Skypeにサインイン」を選ぶ

画像 Skype名とパスワードを入力してサインインする
画像 ダウンロードされたコンタクトリストから通話先を選ぶ

 着信があるとバイブレータが振動して着信音が鳴り、通話ボタンを押せばそのまま通話できる。音質は思ったよりもクリアで、ほとんど携帯電話と変わらない。これなら、どんなシチュエーションでもSkypeを自由に利用できるだろう。

 なお、一般電話への発信(SkypeOut)や「050」で始まる番号で一般の電話から着信できる「SkypeIn」、ボイスメールにも対応しているが、ファイル転送やテキストチャット、ビデオチャットといったSkypeの標準機能は利用できない。あくまで音声通話に特化したデバイスだと考えるべきだろう。なお、連続待ち受け時間は約30時間、連続通話時間は約3時間と十分にある。ただし、付属のACアダプタで充電したときの充電時間は約4時間と長めだ。

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