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» 2007年06月15日 08時31分 公開

Interop Tokyo 2007:当たり前になりつつある「IP電話」をさらにセキュアに、さらに便利に

IP電話という言葉には、もはや目新しさが感じられなくなった。ぎゃうくに言えばそれだけ、当たり前の選択肢として普及してきたということだろう。Interop Tokyo 2007の展示会場で関連技術を拾ってみた。

[ITmedia]

 古くなったPBXの入れ替えやネットワークインフラの更新を機に、国内の企業でもVoIPの導入が進みつつある。コストメリットやアプリケーションとの連携といったメリットが評価される一方で、信頼性・安定性やセキュリティなど、懸念材料も多い。

 NECはInterop Tokyo 2007の展示会場で、VoIPの世界におけるスパム「SPIT(SPAM over IP Telephony)」を検出し、ユーザー保護とサービスの継続を支援する「VoIP SEAL」を紹介した。

 スパムメールが不要な広告をばらまくのに対し、SPITではIP電話を用いて手当たり次第に電話をかけてくる。VoIPを利用するから、スパム同様コストはほとんどかからないうえ、「通話」であるため、テキストや画像のようにフィルタリングをかけてブロックすることが困難だ。

 事実、国内でも2004年以降、ソフトバンクBBなどでこの手の攻撃が検出されている。今後もSPITのような攻撃が蔓延すれば、正常なIP電話サービスの提供に支障が生じることも考えられる。

 VoIP SEALはこうした背景の元で開発されている技術だ。第一段階ではいくつかのモジュールを用いて呼び出し頻度などのSIPの「呼」をチェック。ここで、同一のIPアドレスからなめるように多数の相手に発信しているケースなどを検出する。

 次にチューリングテストを用いて、相手が人間(肉声)か、それとも自動発信プログラムかどうかを分析し、SPITかどうかを検知する。SPITであると判断されれば、呼が成立する前――つまり受信者側の電話が鳴る前に遮断する仕組みだ。

 「海外に比べ、国内ではSPITへの対処が進んでいない。今後VoIPが普及していくにはこうした対策が不可欠だ」とNECでは説明している。ただし製品化などの予定は未定という。

アプリケーションとの連動で仕事が変わる

 シスコシステムズでは、「Cisco Unified Communication Manager Express」や「Cisco IP Phone」によるIPコミュニケーションと、既存のアプリケーションとを連携させるシステムを紹介した。

 例えばMicrosoft Dynamics CRM 3.6と連携することで、顧客から電話がかかってくると、その顧客の情報やこれまでの案件、履歴などをPC上に表示させることが可能という。また社内向けには、人事システムと電話を連携させることで勤怠管理を実現。電話機につながれたリーダに社員証(ICカード)をかざすことで出勤と見なし、時間を入力する、といった利用法も可能だ。

 こうしたアプリケーションは、無線LAN対応の「Cisco Wireless IP Phone 7921」などのモバイル型端末でも可能という。一例として米国の病院で、ナースコールと連動させ、呼び出しがあると詳細情報を表示させるといった形で導入されているという。

 さらに、米国で4月に発表された中堅・中小規模企業向けのオールインワン型製品「UC500」も紹介された。

 インターネット接続(ファイアウォールおよびVPN機能をサポート)とPSTN網接続、802.11b/gの無線LANアクセスポイントにIP電話、アナログ電話の収容、ビデオ会議といった機能を1つの筐体で提供する製品だ。クリックツーコールなどのアプリケーションも利用できるという。国内では夏から秋にかけて、50万円程度で販売を開始する計画という。

SIPサーバなしでもP2PでIP電話

 一方日本アバイアでは、専用のSIPサーバを用意することなく、端末どうしがP2P技術を用いて各種設定を自動的に行うユニークなシステムを参考出展した。

 IP電話では一般に、SIPサーバで呼の制御を司り、それに沿って端末間で通話が行われる。これに対し「Avaya One-X Quick Edition」は、サーバがなくともプラグアンドプレイでIP電話を利用できる。

 IP電話端末の中に、SIPサーバとP2Pエージェントとして動作する専用ソフトウェアが搭載されているイメージだ。ネットワークに接続すると自律的にほかの端末とやり取りし、1分程度で初期設定を行う。ゲートウェイを利用すれば、アナログ電話やFAXとの接続も可能だ。

 ただし拡張性には乏しく、数百台クラスの環境での導入は困難。日本アバイアでは20ポート程度の小規模事業所での利用を想定している。特に、新会社やオフィスの立ち上げなどで専用サーバを導入するほどの手間はかけられないが、とりあえず至急電話を使いたいといった用途に適しているとした。製品化の予定は未定。

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