持ち出しPCのセキュリティはSaaSにおまかせ

サイバネットシステムは米FiberlinkのモバイルPC向け検疫サービスを開始した。月額900円で利用できる。

» 2007年06月25日 06時00分 公開
[ITmedia]

 サイバネットシステムはこのほど、米Fiberlink Communicationsが提供するエンドポイントセキュリティサービス「Fiberlink」を開始した。持ち出しPCなどでの社外アクセスを安全に行うためのセキュリティをSaaSで提供する。

 Fiberklinkは、米Goldman Sachs Capital PartnersやGE Capitalなどが出資し、国際ローミングサービスやセキュリティサービスを提供する。モバイルPCなど社外でも利用されるクライアント向けのエンドポイントセキュリティサービスは2004年から開始され、現在ではトヨタやGE、Vodafone、Bloombergなど世界で約800社、120万ユーザーが利用しているという。

 このサービスは、「Extend 360」と呼ばれるセキュリティポリシーポリシーを監視するためのプラットフォームを用いることで、既に企業が導入しているアンチウイルスやファイアウォール、データ暗号化などの各種セキュリティツールと組み合わせて利用できる。

Fiberlinkではセキュリティポリシーを監視するプラットフォームを提供しており、セキュリティベンダー各社の各種セキュリティサービスと組み合わせて利用する

 ユーザーは、PCにインストールされたエージェントソフトから社内システムにアクセスするためのネットワークを選択する。この際に、まずFiberlinkのサーバに接続され、セキュリティ管理者が設定したポリシーがPCで保たれているのかを検疫する。パッチが適用されていないなど、不備がある場合は自動的に修復が行われ、修復完了後にVPNで社内のネットワークに接続する仕組みだ。

PC側のエージェント画面。ダイヤルアップや携帯/PHS、WiFiなどほとんどのネットワークに対応する。PCのセキュリティ状態は画面下部のステータスで確認でき、ポリシーが赤色だと自動修復が完了するまで社内に接続できない

 セキュリティ管理者は、Web上からポリシー設定やユーザー管理、セッション管理、レポーティングなどの操作が行える。また、サービス利用に合わせて、導入していないセキュリティツールをプラグインとして新たに追加することもできる。

 一般的な検疫システムやネットワークアクセスコントロールでは、監視用サーバやアプライアンスを自社で用意する必要があり、PCが社内LANに接続された段階で検疫を行う仕組みのものが多い。Fiberlinkのサービスは、SaaSで提供されるために導入コストが低く、社内システムに接続する前に検疫を行ことで、PCは安全な状態で社内にアクセスできるという。

Fiberlink Communicationsのスティーブ・ハモンド国際担当副社長

 Fiberlinkのスティーブ・ハモンド国際担当副社長は、「LANの外の世界は“モバイルブラインド”と呼ばれ、セキュリティ管理者の目が最も行き届きにくい部分。この部分でいかにコストをかけず、PCの安全性を確保するのかという企業の課題に対して、我々は答えを提供できるだろう」と話す。

 利用料は、1ユーザー当たり月額900円で、ユーザー数に応じた月額料金だけ利用できる。利用期間は2年間からとなっている。

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