サービス連携で得する人、損する人――iPhoneから2ちゃん、社保庁で見えたもの：オルタナブログ通信（1/3 ページ）

iPhoneが米国で発売された。日本でも発売に向けた水面下での争奪戦があるという。また、2ちゃんねるに検索窓が加わったが、匿名性は担保できるのか――オルタナブログは、ITの今を独自な視点から発信する。

[森川拓男，ITmedia]

iPhoneの記事にはもうお腹いっぱい？

　今週のIT界でホットな話題といえば、誰もがiPhoneを挙げるだろう（関連記事）。オルタナティブ・ブログでも複数の投稿があり、「iPhone祭」の状態だ。

　iPhoneとは何かといえば、アップルが6月29日に発売開始した“iPodケータイ”。ケータイにブラウザ、メディアプレーヤーが融合したもの、と考えればよいだろう。それならば現行のケータイでも十分ではないか？　そう考える人がいるかもしれない。しかし、iPodで一世を風びしたアップルの狙いだけあって、ほかとは違う魅力があるわけだ。

　そこで、ブロガーもお祭り騒ぎの渦中に入り、オルタナティブ・ブログで多数のエントリーが投稿された。特に松尾公也氏「CloseBox and OpenPod」では、発売直前の予告：明日はiPhoneレビューが載りますという記事以降、連続してiPhone関連のエントリーが投稿されている。

　バグ問題が浮上したり、詐欺も現われるなど、まだまだしばらくはiPhone祭が続きそうだ。

　しかし、そんな中で筆者の目に止まったのは、ITmedia海外速報部「海外速報部ログ」に澤 由紀子氏が投稿したiPhone-d out――iPhoneの記事にはもうお腹いっぱい？。

　澤氏は、週末にさまざまなブログ投稿や記事でiPhoneに関する情報を見て回り、お腹いっぱい状態になってしまったというのだ。お祭り騒ぎの中での情報過多は、得てしてそうなりやすい。逆に筆者は、iPhoneにそれほど興味がなかったこともあり、それほどチェックしなかったため、それほどお腹いっぱいにはならず興味深く投稿を読んでいた。しかし、読み切ることが難しいWebでは、興味深い記事があればあるほど、満腹状態になりやすいということだろうか。

オルタナ・ブロガーも窓際族になって自己実現を果たすのか

　ITmediaのビジネス・ブログメディア「オルタナティブ・ブログ」には、130組を超えるオルタナティブ・ブロガーが参加し、主にIT業界の情勢についてエントリー投稿している。

　「オルタナブログ通信」は、このオルタナティブ・ブログで1週間に投稿された内容から、筆者の視点で注目すべきものをピックアップし、読者にナビゲーションする目的で連載している。読者がオルタナティブ・ブログを読む際の参考にしてもらえれば幸いだ。

　今回は、6月28日〜7月5日に投稿されたエントリーの中から、冒頭で取り上げたiPhoneのほか、バージョン番号、2ちゃんねると匿名性、国がかかわる振り込め詐欺などをキーワードとして、筆者の視点で取り上げてみた。

6月28日〜7月4日を最新としたオルタナティブ・ブログのステータス

　今回は6月28日〜7月4日を「6月4週」として、オルタナティブ・ブログの「見える化」を行った。それぞれ開始日を基準にして、8週間分のデータをグラフ化しているので見ていただきたい。

　グラフを見てもらえば分かるように今回は、それぞれの値が前回とほぼ同じであるのに対して、投稿された総エントリ数は166（前回比＋5）と微増している。また6月28日には、オルタナティブ・ブロガーとして、新たに鮒谷周史氏が加わった（平成・進化論〜情報発信のススメ）。

　一方、吉川日出行氏「ナレッジ！？情報共有・・・永遠の課題への挑戦」では、毎月「実名ブログの定点観測」のリポートが発表されている。これはなかなか興味深いものだが、今回はその後にオルタナ・ブロガーも窓際族になって自己実現を果たすのかというエントリーが投稿されていることに注目したい。吉川氏は、オルタナティブ・ブログが低調気味であるとして、そこから実名ブログ界、ひいてはブログブームについての検証を試みているのだ。ぜひ、[定点観測]実名ブログ界の動向　2007年6月版と併せて読んでいただきたい。

　また、吉川氏のリポートを受けて工藤拓也氏「一人シリコンバレー男」では、ブロガーズ・キャズムというエントリーが投稿された。キャズムの言葉の使い方についてはコメントで指摘されているが、この中で語られている「習慣的に発信するブロガーになるためのハードル」とでもいうべき条件に関しては、いろいろと考えさせてくれた。

　さて、次に6月25日〜7月1日の週間アクセスランキングから注目点を紹介しておきたい。