操作の実用性が高まったWindows Mobile 6Microsoft Tech・Ed 2007 Yokohama Report

日本では今夏にリリースされたWindows Mobile 6は操作性やセキュリティが大幅に改善された。同OSの新機能をあらためてみてみよう。

» 2007年08月22日 22時37分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 Microsoftがスマートフォン・PDA向けOSとして展開するWindows Mobileは、最新のバージョン 6が日本では7月に発売されたウィルコムの「Advanced/W-ZERO3[es]」に搭載され、本格的に出荷が始まった。同OSを搭載する端末は、まもなく発売されるソフトバンクモバイルの「X02HT」および「X01T」にも搭載される。

 神奈川県横浜市で開催中の「Tech・Ed 2007 Yokohama」では、米Microsoftモバイル・エンベデッドデバイス部門の井宮有紀アウトルックモバイルテストリードが、Windows Mobile 6(WM6)の新機能を紹介した。

井宮有紀アウトルックモバイルテストリード

 井宮氏によれば、WM6では前バージョンの5に比べてモバイル環境で利用される機能と操作性、セキュリティの向上が最重要テーマとなったという。特に注目されるのは、Outlookやセキュリティだ。

 まず、Outlookではスケジュール管理機能が向上した。1日のスケジュール管理の場合、従来は案件が重複していると並列して内容が表示されるのみだったが、WM6では色分け表示されて一目で判別がしやすくなった。また、端末から他のメンバーに対して会議などの参加を招集できるようになり、参加・不参加の返信を端末から送信できるようになっている。

 Outlookメールでは、PC版と同様に任意のメールに対してフラグを立てることができるようになり、重要なメールの確認が行える。フラグを立てたメールはExchange 2007とも同期できるため、複数のメンバーと内容を共有したい場合に便利だ。Windows Mobileではショートカットキーを利用してOSの操作が行えるが、WM6ではOutlookメールだけのショートカットキーも設定できる。フラグのオン・オフをボタン1つだけで行えるなど操作性が向上している。

 WM6のOutlookメールには、フォルダ単位やExchane 2007のサーバ内のメールを検索する機能も新たに搭載されたが、残念ながらこちらは英語版のみの機能になるという。

 セキュリティ面では、端末操作がロックを解除するパスワード管理機能が向上し、以前に設定したパスワードの履歴やパスワードの有効期間を設定できるという。「米国の新聞によれば、ニューヨークではノートPCも含めて1日に約300台のモバイル機器がタクシーの中へ置き去りにされているといい、まず先に端末の不正操作を防止することが大切」(井宮氏)

 また、操作がロックされる時間を細かく指定できるようになったほか、端末のセキュリティポリシーを設定する場合に、従来は専用ツールの「MSFP(Messaging and Security Feature Pack)」とExchangeが必要だったが、WM6ではExchangeから直接設定できるようになっている。

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