二足歩行ロボットの歴史がまた1ページ――ZMPの最新ロボットが登場

Microsoft Robotics Studioを用いて制御する二足歩行ロボットが、世界に先駆けてゼットエムピーから製品化されることが明らかになった。

» 2007年11月29日 19時28分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 「ロボット」と聞くだけでなぜかワクワクしてしまう人たちに、魅力的なニュースとなるだろう――Microsoft Robotics Studioを用いて制御する二足歩行ロボット「e-nuvo WALK ver.3」が、世界に先駆けてゼットエムピーから製品化されることが明らかになった。

e-nuvo WALK ver.3

 ゼットエムピーは2004年から「二足歩行ロボット教材」として、e-nuvo WALKやe-nuvo BASICといった製品をリリース、国内外の大学、高専、工業高校、企業研修などでの採用実績を持つ。

 今回、マイクロソフトおよび双葉電子工業と協力したことで誕生した、e-nuvo WALK ver.3は、大きく2つの点で従来と異なる。

 1つは、開発環境、実行環境としてMicrosoftのロボット開発環境「Microsoft Robotics Studio」を採用している点。Robotics Studioの力学シミュレータ機能を用いて、PC上に、二足歩行ロボットのバーチャルロボット(仮想ロボット)およびその制御システムを構築できるようになった。これにより、PC上でシミュレートできるため、物理的なロボットでの事前検証時につきものだったロボットのメンテナンスなどの煩雑な作業から開発者を解放できる。

事前検証画面 バーチャルロボットを用いた事前検証画面
ISM

 もう1つは、同社が多関節型ロボットのコアモジュールとして位置付けている「インテリジェント・アクチュエータ・モジュール」(ISM)をアクチュエータモジュールとして採用していること。ISMは、小型サーボモータ分野で実績のある双葉電子工業との共同開発により製品化されたもので、自動車業界を中心に広く活用されている通信プロトコルCAN(Controller Area Network)を、同サイズの小型サーボモータとしてははじめて採用したもの。内部アルゴリズムの変更や、多様な制御実験に活用できる点などが高く評価された。

 価格は58万8000円で、Microsoft Robotics Studioのライセンスもこの価格に含まれる。

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