日本HPは、ITの運用管理を包括的に自動化するソリューションを発売した。2007年に買収したOpsware社の製品を積極的に展開し、ITオートメーション市場に本格参入する。
日本HPは1月21日、自動化を軸にしたIT運用管理ソリューションと新たな運用管理のコンセプトを発表した。
運用プロセスを自動化するソリューション「Business Service Automation(BSA)」を発表した。IT運用や業務プロセスにおいて、構成管理やクライアント管理などを自動化でき、クライアント、アプリケーション、物理/仮想サーバなどの管理において、作業工数や設定ミスなどを削減する。500台〜数千台以上のサーバを持つ企業を対象とする。
BSAの導入により 従来は2週間掛かっていた2600台のサーバのパッチ作業が20分に、32週を必要としていたサーバ800台の内部統制評価作業が2日に短縮できたという事例がある。
BSAを実現するコア製品がソフトウェア「HP Operations Orchestration」だ。複数のインフラにまたがる変更作業を自動で記録、管理できる。設定変更に伴う業務プロセスの簡略化や、コンプライアンスおよびセキュリティポリシーに沿った業務の推進が可能となる。
HP Operations Orchestrationの価格は1262万4150円から。2月1日から提供を開始する。
BSAに基づく運用管理のコンセプトが「HP Automated Operations」だ。日本HPは2007年に買収したOpswareの製品との統合を完了させ、BSAを運用管理ソリューションに追加した。BSAに加え、従来から提供している、インフラからビジネスプロセスレベルに至るイベントやパフォーマンスを監視・計測するソリューション「Business Service Managemen(BSM)」と、ITILに基づいたサービスデスクや変更要求などのプロセスを管理するソリューション「IT Service Management(ITSM)」を組み合わせて、運用管理の包括的な自動化を目指す。
BSAソリューションの展開は日本HPにとって、ITオートメーション市場への本格的な参入という位置付けだ。Opswareのパートナー企業の多くを占めた通信や金融のIT部門に加え、新たに企業のデータセンターをターゲットにする。引き合いの状況は「感覚的には半々」(執行役員の西澤均HPソフトウェア事業本部長)という。今後は「通信業界以外の企業からのニーズが増える」と西澤氏は見る。
企業やデータセンターでITILを実践している企業はまだ少ない。ソフトウェア事業本部の星野敏彦氏は「ITILを導入する専門家が不足している。グローバル規模の顧客はその認識があり、(BSAの)ニーズにつながる」とコメントした。
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