大地震が中国を襲った。各業界の企業が支援を進める一方で、インターネットを通じた個人の寄付が加速している。少額の寄付が簡単にできることが要因にあるようだ。
5月12日に中国中西部の四川省を襲ったマグニチュード7.8の大地震。中国政府によると、5月15日現在の死者は1万9000人以上で、推計では5万人を超えるという。このような大災害を受け、各業界の企業などが救援金や救援物資を送り、支援を進めている。
そんな中、インターネットを通じた個人からの寄付が増えている。その多くは、Webサービスの会員に付与されるポイントを募金に使う仕組みだ。
「1カ月で約2000万円の寄付が集まった新潟県の中越沖地震の寄付と比べても、寄付のペースは同じかそれよりも早い」
ヤフーは5月13日、「Yahoo!ボランティア」上で救援金を募集した。5月15日19時現在で806万511円の救援金を集めている。
ミャンマーで起きたサイクロンの災害に伴い、5月8日にヤフーが募集を始めた支援金507万4443円(15日19時現在)と比べても、寄付金の集まりの早さが際立っている。
ほかのWebサイトでも同様の動きが起きている。「スマトラやパキスタン、ジャワ島での地震、バングラデシュやミャンマーでのサイクロンの場合と比べて、早いペースで救援金が集まっている」(ソネットエンタテインメント広報)。ソネットは5月14日に同社のWebサイトでポイントサービスの募金コーナーを始めた。
5月15日に救援金の特設ページを開設したネットマイルは、「15日18時現在、寄付した人数は20〜30人。これから利用が増える」(同社広報)と話している。
こうした動きの背景には、「メディアの報道がここ2、3日で増えている」(ヤフー広報)ことがある。また「中国と日本は距離が近いこともあり、関心を集めている」(ソネット広報)といったことも関係しているようだ。
少額の寄付ができることもこの動きを助長している。「余ったポイントの寄付などが増えている。1ポイントから寄付を受け付けているため、現金よりも寄付がしやすく(寄付の)敷居を下げている」(ヤフー広報)。
高度なWebサービス通じて災害の支援をするという例は数多くある。だがそういったサービスを自在に使えるのは一部の人だ。それに対し、Webサイトを通じた寄付はクリック1つでできる。少しの意識があれば、インターネットを通じて世界中の人々が個人のレベルで助け合える世の中になってきている。
大災害はテレビの向こう側の出来事ではなくなってきているようだ。
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