裏サイトから娘を救った! ――実は似ている? 学校裏サイトと大人の飲み会オルタナブログ通信(2/2 ページ)

» 2008年05月30日 19時45分 公開
[森川拓男,ITmedia]
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暗がりで本を読める〜エコロジー

 環境に配慮するということでは、ITもいろいろ寄与しているところがある。ITmedia海外速報部・広瀬麻子氏「海外速報部ログ」暗くても本が読めるしおりでは、なかなか興味深い「トレたま」が紹介されている。筆者のような本を読むのは好きな人にとっては朗報だ。といっても、まだ実際に商品化されたものではないようなので、ぜひ販売して欲しいものだと願っている。

 また、エコの気持ちが強くなった企業は、永井孝尚氏「永井孝尚のMM21」「商品の製造を中止する」という、カラー全面広告で紹介されたような行動を取った。ITの進歩が次世代の環境に優しいものを製品化し、そして従来製品の製造中止を広告でうたう。企業にとっては戦略の一環だろうが、こういったことはどんどん進めてもよいと思う。

 環境問題とは少し離れるが、新倉茂彦氏「新倉茂彦の情報セキュリティAtoZ」USBメモリーの紛失が多いですね。入れものを変えてみたら・・・にあるようにUSBメモリーの紛失による情報漏えいという事件も起きている。セキュリティに配慮した企業の場合、仮にUSBメモリーだけが外部に漏れても、情報自体は流出しない措置が成されているはずだ。しかし、そもそもUSBメモリーに限らず、「物」が小さくなり過ぎているような気がする。コンパクトにするだけがいいわけでもないだろう。

DVD-Rは消えてしまう?

 デジタルデータは永久に消えない――それが幻想であることは、多くの人が知っていることだと思う。その1つが、加藤和幸氏「てくてくテクネコ」やはりDVD-Rは消えるのねで紹介されている。そう。デジタルで記憶しても、媒体が読み込めなかったり、技術の進歩で再生装置が無くなったりすれば駄目だろう。例え話にもあるが、遠い未来、廃墟から発見されたデジタルデータはまったく読むことができなかったが、それ以前の紙に書かれた文章は読むことができる、というものだ。

「かぐや」が「アポロ」を証明!

 アポロ計画の月面着陸は、ハリウッドで撮影されたものではないかという疑惑が、まことしやかに話されていたことがあった。しかし岩永慎一氏「THE SHOW MUST GO ON」そうか。アポロ15号はちゃんと月に行ってたんだ。で紹介されたように、日本の「かぐや」が、それは真実だったということを確認した。この月面着陸は筆者が生まれた翌月に行われたものだった。そう考えると非常に感慨深かった。宇宙には、まだ痕跡が残っている。ぜひ、これからの宇宙開発に夢を馳せたい。

社内SNSと学校裏サイト

 一方、ネットコミュニケーションの問題点も相次いで指摘された。

 例えば会社内での話。大木豊成氏「走れ!プロジェクトマネージャー!」言う、と伝わる、は別でしょうに書かれていることは、なるほどと思わされた。こういうときに、コミュニケーションが大事になり、その1つとして社内SNSがある。しかし本当にこれが活用されているかというと、少々疑問だ。

 例えば、小野有紀氏「魅惑のビジネスブログ/SNS」社内SNSのプロフィール欄の写真は、どうするべきか? という問題提起があった。これに関してはコメントに注目した。いかに社内とはいえ、あえて情報を強制することで、いいこともあると同時に、陰口などのキッカケや温床になるのでは……という懸念だ。

 すでに学校では「裏サイトでのいじめ問題」が起きている。

 オルタナブロガー吉田賢治郎氏「けんじろう と コラボろう!」は、実に勇気のある告白をされていた。娘を攻撃した学校裏サイトでの「いじめ」が解決した〜子供のネット規制は禁酒法時代の二の舞か? にて完結した、実際に身内に起きたことに対する対応だ。あくまでも吉田氏ならでは、という対処法であって、すべての人に適応されるものではない。しかし筆者は、この中で娘さんの語った裏サイト=子供の居酒屋論に、納得できるものがあった。もちろん、いきすぎて実際の事件に発展してしまうことは避けなければならない。だからといってその場を規制したところで、別な居場所を見付けてしまうだけだ。しかもそれらは簡単に見付けられない。そうなると、かえってひどいことになりかねない。

 小林啓倫氏「シロクマ日報」「子供たちのメール依存度が高まっている」に感じる違和感にうなずくところが多かったのは、その思いもあったからだ。小林氏の「大人に携帯電話を持たせるな」は、それ自体というよりもコメントでの議論に、考えさせられるものが多かった。「臭い物にはフタ」的な議論ばかりが進行している現状を危ぶんでいるのは、どうやら私だけではないようだ。

 携帯電話の話がでたので、これも紹介しておこう。川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」異論・反論覚悟で...ボタン音やめようよ! に、筆者も同感だ。筆者は携帯電話を購入したら、すぐにマニュアルを読んで、ボタン音をオフにしてしまう派だ。先日、映画の試写会に行った際に、上映中に携帯電話の着信音が後方から鳴ったのには閉口した。マナーを守れない人が多過ぎる。

テレビ番組の権利処理とは

 動画コンテンツは、ネットサービスの中でこれからの軸になっていくことは間違いないだろう。そういう意味で、林雅之氏「『ビジネス2.0』の視点」情報通信法制導入の市場へのインパクトとは? は注目されるところだ。そして、林氏の2015までに実用化されるテレビとは? も、これからのテレビを占う意味でも注目すべき点だと思う。

 ただし、テレビ番組はコンテンツの宝庫であると同時に、簡単にネットで使えないというジレンマも抱える。栗原潔氏「栗原潔のテクノロジー時評Ver2」第2日本テレビの権利処理についてを読んでほしい。何が問題なのかを考える端緒になりそうだ。また、権利を管理するという意味でJASRACは重要な機関には違いないが、果たしてそれでいいのかということは、JASRACの黒歴史にちょっと触れてみるを読むと見えてくる。

 しかし、それ以前の問題として、現実のテレビ番組自体が、内容の衰退を招いているような気がする。その1つが似たような番組の粗製濫造。最近目に付くのは、雑学系クイズ番組の飽和化だ。そして安易なトーク番組。筆者は、小林啓倫氏「シロクマ日報」ゴールデンタイムに政治番組をに賛同したい。ウケるからといって同じような番組ばかり作っていては、すぐに飽きられてしまう。そうではない、骨太のしっかりした政治番組をやってこそ、価値が上がると思うのだ。

 以上、5月15日から21日にかけての「オルタナティブ・ブログ」への投稿の中から、筆者の視点でピックアップさせていただいた。ただし、これらは膨大な投稿の中のごく一部にすぎない。本稿を読んで「オルタナティブ・ブログ」に注目してくれたならば、ぜひ、ほかの投稿も読んで欲しいと思う。

 ITの今を知る、新たな発見があるのは確かだ。

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