独IDS Sheerのコンサルティングサービス担当エグゼクティブボードメンバー、ディルク・ウーバーマン氏にビジネスプロセス管理の効果などを聞いた。
ビジネスプロセス管理(BPM)ソフトウェアを提供するIDSシェアーは5月、ソフトウェア製品とコンサルティングなどを組み合わせ、ライセンス販売ではなくサービスとして顧客企業を支援する方針を打ち出した。
ビジネスプロセス管理とは、営業など業務フローの小さな処理をソフトウェア上で把握し、最適化していく取り組みだ。SAPなど主要なソフトウェア企業と協業関係を持つ同社のサービスについて、独IDS Sheerのコンサルティングサービス担当エグゼクティブボードメンバー、ディルク・ウーバーマン氏に聞いた。
ドイツ企業ということもありIDS Sheerは特にSAPと深いパートナー関係を築いている。「SAP自体はモジュール型の手法でERPを構築する。IDS SheerはSAPのシステムをプロセスの発想で再構成できる点が強みだ」とウーバーマン氏は話す。
IDS Sheerは主力製品の「ARIS Business Performance Edition」を基盤に、ビジネスインテリジェンス、SOA(サービス指向アーキテクチャ)、ポータル、XIなどSAPが提供するさまざまな製品からデータを抽出し、ユーザー企業に最適なビジネスプロセスを構築できるようにしている。
化学品メーカーのBrenntagは、過去数年の継続的な利益の成長により、IT環境を変化する必要に迫られていたという。SAPの導入に伴い、ビジネスプロセスの再編成のためにIDS Sheerのソフトウェア製品を導入した。
これにより、Brenntagは既存のビジネスプロセスの情報を1つのビジネスプロセスアーキテクチャに統合できた。ARISベースのプロセス管理ができるようになり、ビジネスプロセスが柔軟になったとしている。また、SAPの導入スピードが20〜25%アップし、コストも5〜10%抑えられたとしている。
エンジニアプラスチックスを提供するSABICは「直感ではなく分析で正しいボトルネックを把握できる」と導入効果を指摘する。
Rodamcoは「ビジネスとITを一体化させられるところが最も強みだ」と話している。
「手軽に導入できるSAP」を中堅企業に届ける
「SAPはハードルが高い」というイメージが払拭されつつある。長期的な費用を考慮すると、SAPは実は安価と考え、SAP Business All-in-Oneを導入する中堅企業が増えている。SAPが提供する実現機能確認シートに注目だ。一覧をチェックすれば購入前に費用の詳細が分かる。機能追加の際の費用も「見える化」できる。
なぜSAP ERPを導入するのか――女性衣料品通販ピーチ・ジョンの場合
ピーチ・ジョンは、女性向け下着などのカタログ通販で人気を集める。ピーチ・ジョンが、2009年の稼働を目指してSAP ERP導入プロジェクトに取り組んでいる。ネット販売店舗が急拡大し、継ぎ足すように対応してきたシステムをSAPでどう変えていくのか。2007年11月のワコールの完全子会社化に伴い内部統制強化も課題となっている。
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