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» 2008年07月09日 16時38分 UPDATE

プレミアム会員から仮想空間まで:NGNが新ビジネスを作り出す (1/3)

NGNの商用サービスが今年3月31日に始まって3カ月以上が経つ。提供エリアは、現時点で東京都の一部と少ないが、新サービスの可能性は多い。

[林雅之,ITmedia]

この記事はオンライン・ムック中堅中小企業の経営基盤改革術のコンテンツです。


 NGNの商用サービスが今年3月31日に始まって3カ月以上が経つ。提供エリアは、現時点で東京都の一部と少なく、具体的な利用シーンやNGN特有のメリットが見えないという意見も多い。また、インプレスが5月に発表したインターネット白書2008によると、NGNの認知度は16.9%にとどまっている。NGNを提供するNTT東西も現在のエリア状況からすると本格的にプロモーションできる段階ではないだろう。

 第1回第2回においては、中小企業がSaaSや行政サービスをNGNと組み合わせることによって、セキュリティの向上や業務のプロセスを向上していく仕組みを考えてきた。中小企業がこの先に、NGNのサービスの恩恵を受けていくためには、NGN上のプラットフォームサービスの充実が必要不可欠である。

 NGNが今後ユーザー側に普及していくためには、情報通信事業者が提供するネットワーク機能だけでなく、さまざまな事業者が参加することによって、NGN上のプラットフォームやアプリケーションを充実させていかなければならない。

 インターネット普及期に中小企業から多くのビジネスモデルが生まれたように、NGNの普及を機に多くのビジネスが生まれる可能性がある。中小企業にとっても、新たな事業に参入する契機となるはずである。

 今回は、NGN上でサービスを提供する中小企業という視点で整理をしていきたい。

NGN普及で加速化するパートナー戦略

 NGNがトリガーとなり、パートナー提携の動きが加速化している。NECは、NGNを活用したサービス・普及拡大の取り組みを強化するため「NGNミドルウェアパートナープログラム」を開始した。NGN活用における技術的な課題を解決するために、NECが各社と協業して取り組む活動である。

 NECなどが提供するミドルウェア共通APIを利用すると、NGNを活用したアプリケーション開発が容易になる。そのため、開発リソースに限界がある中小企業が、得意な領域を選択し、集中して取り組むことができる。

hayashi31nec.jpg NEC NGNミドルウェアパートナープログラム資料より

 NTTは「次世代サービス共創フォーラム」を設立した。同フォーラムのコンセプトは、NGNの普及に当たって、新たなビジネスの創造を生み出す場を作り、迅速なサービス開発と事業化を支援することにある。この中でNTTは、SaaSプロバイダーなどのパートナーの要望を聞き取り、自前でIT共通基盤となるSDP(Service Delivery Platform)を構築できる大手パートナーだけでなく、中小規模のベンチャー企業も積極的に募り、2010年までの3年間で100億円規模の新規ビジネスに投資する計画だ。

hayashi32ntt.jpg 次世代サービス共創プラットフォーム ホームページより

 NTT東日本では、NGNのネットワークとSDPを接続するSNI I(application Server-Network Interface)ビジネスを推進するために専門の部署を設置し、パートナーのテストベット検証から、サービス導入までの技術サポートを実施している。

 そのほか、NGN普及のキラーアプリケーションといわれるSaaS市場のパートナー連携も進んでいる。例えば、富士通を中心とした「SaaSパートナープログラム」、KDDIの「Business Port Support Program」、NECの「SaaSビジネスイノベーションプログラム」などSaaSをキーとしたパートナー連携は活発化している。

 今後NGNの普及に伴い、各事業者のパートナー連携はいっそう進むことが予想される。パートナー連携が進み、IT共通基盤のSDPの機能が充実し、NGN対応のアプリケーションが増えてくれば、新たなビジネスの市場が生まれる可能性が考えられる。その可能性の一例を紹介してみたい。

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