トレンドマイクロ、中堅企業向けメールセキュリティサービスをSaaS提供ゲートウェイ技術を提供

最新のゲートウェイ対策をインターネット上から提供するサービスをトレンドマイクロが始める。企業は専用のサーバやソフトウェアを導入せずに、スパムメールやフィッシングサイトの対策ができるようになる。

» 2008年07月14日 17時34分 公開
[藤村能光,ITmedia]

 トレンドマイクロは7月14日、中堅規模の企業向け電子メールセキュリティサービス「Trend Micro InterScan Messaging Hosted Security」(IMHS)を8月27日に発売すると発表した。SaaS(サービスとしてのソフトウェア)形式で提供する。

 IMHSは、トレンドマイクロのゲートウェイ技術をSaaSで提供するサービス。トレンドマイクロがインターネット上でスパムを送ったサーバのIPアドレスを調べ、そこから送られてくる電子メールを受信させないようにしたり、フィッシングサイトへの接続を防いだりする。

 ウイルスやスパイウェアといった悪意のあるプログラムに対応する最新のソフトウェアやパターンファイルも、インターネット経由で提供する。顧客企業はパターンファイルの更新やソフトウェアの導入をせずに、最新のセキュリティ機能を利用できるようになる。

情報配信元のメールサーバを評価する「レピュテーション」技術(写真左)と自社導入と同じ感覚で利用できるIMHS

 スパムメールの防止には、情報配信元のメールサーバを評価する技術を活用。スパムメールを配信するサーバのIPアドレスを調べ、TCP接続の段階でスパムメール送信サーバからの接続を絶つ。不正プログラムを配信するWebサイトに接続させない技術も取り入れている。Webサーバのドメインを評価し、不正と診断されたWebサイトにゲートウェイ製品またはクライアント製品をアクセスさせないようにする。

 管理者とエンドユーザーは、それぞれの管理画面から電子メールの管理やポリシーの設定ができる。管理者は、電子メールにかかわる各種設定を図や表などで確認できるほか、独自のポリシーの設定や電子メール処理におけるログの確認が可能となる。エンドユーザーは、隔離したスパムメールの配信や削除の状況、エンドユーザーごとの受信許可リストなどを調べられる。

 同サービスはSaaS形式で提供するため、企業はゲートウェイ製品専用のサーバやソフトウェアの購入や保守、運用にかかる費用、ソフトウェアのバージョンアップ費用を削減できる。管理者は、電子メールをIMHSが受信できるようにネットワークの設定を変更するだけでいい。

image トレンドマイクロの岡本元央プロダクトマーケティングマネジャー

 増え続けるスパムメールに対するストレージやネットワーク帯域の容量増加、サーバOSのバージョンアップなど、中堅企業の電子メールに対するセキュリティの運用負荷は膨れあがっている。一方、それらの企業では十分な対策が講じられていない。トレンドマイクロの調査によると、スパムメールやウイルス対策の製品を導入していない企業の割合は、300〜1000名未満の企業で64%、100〜300名未満の企業で69%、100名未満の企業で79%となった。

 岡本元央プロダクトマーケティングマネジャーは「電子メールに対する最新のセキュリティ対策をインターネット経由で提供する。生産性向上に貢献しにくい電子メールのセキュリティの運用管理を削減できる」と胸を張る。

 参考価格は300アカウントで年額86万1000円(税抜き)。ユーザーの数に応じて料金を割り引く。1年間のサポートサービスの料金も含む。1年間で2億円の販売を目指す。

ランク アカウント数 IMHS年額
A 5―24 5700円
B 25―49 5130円
C 50―99 4420円
D 100―249 3540円
E 250―499 2870円
F 500―999 2310円
G 1000―1999 2130円
H 2000―4999 1890円
アカウント数によるIMHSの年額(1アカウント当たり)

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