情報を紡ぎ出すConceptBase、いま企業に求められる情報ハブとは?エンタープライズサーチ新時代(2/2 ページ)

» 2008年09月01日 11時19分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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 文書を自動的にXML化して取り込むフィルタも自社の一太郎はもちろん、Excel、Word、PowerPoint、PDFと幅広く対応し、さまざまな文書の構造を抽出できる。

 例えば、表計算のExcelデータの場合、その表の構造や数値の意味は人が読めば理解できるものの、そのままではコンピュータが特定の数値の意味を理解することは難しい。しかし、その数値をセルとカラムの「座標」ではなく、「経路」(パス)で構造化してやれば、コンピュータも扱いやすい。「関西支社」の「商品A」の「8月」の売り上げは「10000」という具合だ。

 既にConceptBaseはLotus NotesやWindowsファイルシステムに対応しており、Notesフォームと添付ファイルの関連付けや、フォルダとそこに格納されたファイルの関連付けもインデックス化できる。特定の顧客に関するファームに添付された、例えば、提案書に対象を絞って効率良くコンテントを処理することも可能だ。

 「検索結果をクリックして人がファイルの中身を読んでいるようでは、ITシステムの価値はない。コンピュータ処理の自動化もそこで止まってしまうからだ。一連の業務プロセスの中に組み込めなければ、真の生産性向上は期待できない。構造解析によって文書検索の機能も一連の自動処理の流れの中に組み込めなければならない」と浮川氏は構造化/XML化の重要性を強調する。

検索エンジンからアプリケーションエンジンへ

 一連の業務プロセスの中に組み込まれるということは、単なる検索エンジンの枠を超え、情報を紡ぎ出すハブとして進化していくことを意味する。

 例えば、業務マニュアルをポータルで提供する場合、その中身に応じた不具合/クレームの最新情報を動的に表示させれば、業務の質向上に結び付けられるはずだ。

 「従来のアプローチでは、必要なときに、必要な人に、必要な情報を提供するシステムの構築は極めて複雑になってしまう。企業内のさまざまな文書を構造化して効率良く扱う基盤を活用すれば、そうしたシステムを容易に構築できる」と浮川氏。

 10年を超える開発の積み重ねによって、ConceptBaseは文書を「探す」「分類する」「関連づける」「管理する」という機能を併せ持つようになった。業務プロセスの各シーンに応じて、文書を最適に処理するという意味では、「アプリケーションエンジン」と呼んでもいいだろう。数値などの構造化データを処理するリレーショナルデータベースが既に基盤として企業に浸透しているが、非構造化データを扱う情報ハブが今後求められるに違いない。

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