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» 2008年09月04日 08時00分 UPDATE

ハコから出してすぐつながる:サーバネットワークのトレンドはI/Oの仮想化

管理者にとってネットワークの設定は煩雑なもの。ブレードサーバにおいてはI/Oの仮想化という手段で管理負荷軽減のアプローチが取られている。

[大神企画,ITmedia]

このコンテンツは、オンライン・ムック「ブレードサーバでグリーン&仮想化」のコンテンツです。関連する記事はこちらでご覧になれます。


ブレードサーバの一般的なネットワーク設計は?

PowerEdge背面 オーソドックスな構成を取るPowerEdgeブレードサーバ

 一般的なブレードサーバの設計では、最後方にLANインタフェースがあり、ブレードとシャーシのミッドプレーンを接続するインタフェースを通じ、シャーシに搭載されたスイッチモジュールにつながっていることが多い。スイッチモジュールではなくパススルーモジュールが搭載されている場合もある。パススルーモジュールは、それぞれのブレードのLANインタフェースをそのままシャーシの裏側に出す役割を果たすもので、外部にエッジスイッチを設置している場合に利用する。

 また、シャーシに搭載されているスイッチモジュールは2基搭載されており、各ブレードのLANインタフェースから両方のスイッチモジュールに接続された冗長化構成を取る。これは、障害が発生しても、一方のLANインタフェースだけで業務を継続するために欠かせない、ブレードサーバの基本的な構成だ。

 こうしたネットワーク機能を備えているブレードサーバには、NECの「SIGMABLADE」、富士通の「PRIMERGY TRIOLE BladeServer」、デルの「PowerEdgeブレードサーバ」などがある。

スイッチモジュールを仮想化する新機能

 HPの「BladeSystem」も、ブレードとシャーシとの関係は、前述したものと同様の構成になる。ただし、BladeSystemの場合、スイッチモジュールを仮想化できる「バーチャルコネクト」をオプションで選択可能。

 従来のブレードサーバの場合、ブレードに障害が発生してブレードそのものを入れ替えたとき、MACアドレスの設定を変更する必要がある。こうした運用の手間を軽減するために、バーチャルコネクトはI/Oを仮想化できる。具体的には、バーチャルコネクトの各ポートにあらかじめ仮想的なMACアドレスを設定しておき、そこに接続されたブレードのMACアドレスをBIOSレベルで書き換えるという機能を提供している。これにより、ネットワーク側は何の変更も行うことなく、予備のブレードに切り替えられる。また、ブレードの増設を想定している場合も、新しいブレードが到着してMACアドレスを調べる前に、ネットワーク側を設定しておける。

 なお、バーチャルコネクトは、外部ストレージを接続するSANのFCスイッチも用意されており、こちらはファイバチャネルHBA(Host Bus Adapter)のWWN(World Wide Name)を仮想化できる。このバーチャルコネクトにより、サーバ管理者はネットワーク管理者やストレージ管理者と連携しなくても、サーバをメンテナンスできるようになる。

バーチャルコネクト解説SANブート解説 MACアドレスやWWNを仮想化して指定できる(画像=左)、I/O仮想化によるSANブート(画像=右)

 このバーチャルコネクトと同様の機能をソフトウェアで提供しているのがIBMだ。IBMの「BladeCenter」では、「BladeCenter Open Fabric Manager」というソフトウェアがオプションで用意されている。このソフトウェアは、BladeCenterのシャーシに搭載されているスイッチモジュールでI/Oを仮想化するもので、ネットワークのMACアドレスとFC-SANのWWNの両方に対応する。機能的には、HPのバーチャルコネクトと競合する。

 IBMならではの特徴としては、シスコシステムズ、ブロケードコミュニケーションズシステムズ、ブレード・ネットワーク・テクノロジーズといったサードパーティー製のスイッチモジュールに対応していることが挙げられる。

ネットワーク機能をブレードから分離

 一方で、ネットワーク機能をブレード本体から切り離し、ブレードを接続するシャーシのミッドプレーンより後方に配置しているベンダーもある。サンマイクロシステムズと日立だ。

BladeSymphonyのI/Oモジュール BladeSymphonyのI/Oモジュール

 サンは、シャーシに搭載されたスイッチモジュールを介することによって、トラブルが発生する可能性のあるポイント、すなわちSingle Point of Failureが増えると考えている。それを避けるために、「Sun Blade」では、外部とのI/Oの役目を果たす機能をすべてモジュール化してシャーシのミッドプレーンより後方に配置した。これにより、シャーシに搭載されたスイッチモジュールにかかるコストが丸々削減できるほか、スイッチモジュールを経由することによるネットワークの遅延も回避できるとしている。

 日立の「Blade Symphony」のハイエンドモデル「BS1000」も同じような発想だ。BS1000の場合、LAN+FC-SAN用、PCI-x用、PCI-Express用という3種類のI/Oモジュールをシャーシに内蔵する仕組みになっている。これらのI/Oモジュールは、標準規格のPCIボードを搭載できる。

 ちなみにミッドレンジモデルである「BS320」は、ブレード本体にLANインタフェースを持ち、ミッドプレーン経由でシャーシに搭載されたスイッチモジュールにつながるという一般的なブレードサーバと同様の構成になっている。

関連キーワード

I/O仮想化 | SAN | ネットワーク管理


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