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» 2008年11月17日 16時00分 UPDATE

「ZeeM 会計」導入事例:ジェイ・スポーツ、経理部が会計システムを選定――「現場での使いやすさを追求」

スポーツ専門番組の関連事業を展開するジェイ・スポーツ・ブロードキャスティングでは、経理部が会計システムを選定して導入している。「現場で使いやすいシステム」を選定する担当者のこだわりを聞いた。

[杉浦知子,ITmedia]

 ジェイ・スポーツ・ブロードキャスティングは、スカパーJSATの「スカパー!」や全国のケーブルテレビ局へのスポーツ専門番組の供給や委託放送事業を展開している。「J sports ESPN」や「J sports 1」「J sports 2」「J sports Plus」といった番組を持ち、スポーツ関連のパッケージソフトウェアやグッズの製作、販売も手掛けている。

 1996年に創業した同社は、会社の成長に合わせてその時々の要求に応じた会計システムを導入し、経理の業務を変化させてきた。現場の状態を熟知している経理の担当者が会計システムを選定してきた同社ならではの取り組みを聞いた。

会社の成長に合わせた会計システムの導入

tsg1117jsports.jpg 1997年よりジェイ・スポーツ・ブロードキャスティングの会計システムを選定してきた野口英二氏

 「会社の成長に合わせて、その時々の社員数や要件に合うシステムを選定し、入れ替えてきた」と話すのは、1997年から同社で経理を担当し、会計システムの導入選定をしてきた財務経理部財務経理チームの野口英二チームリーダー。同社では、創業期から事業を開始するまでの1年間は財務会計機能のみを備えた会計システム、事業を開始してから3年間は債務管理もできるシステムを使用していた。2002年には分散入力機能を備えたクレオの会計パッケージ「CBMS会計」を導入し、2007年からは同じくクレオのWebベースのシステム「ZeeM 会計」を使用している。

 CBMS会計を導入した時期には社員が100人規模となり、プロジェクトや部門ごとに予算を管理することが求められていた。「CBMS会計の導入前は、現場で紙に入力したものを経理でシステムに打ち直して管理していた」と野口氏。経理の仕事は、システムへの入力で追われていたという。CBMS会計は、現場で記入できるサーバに接続することで、分散入力ができる機能を備えていた。導入後、経費精算を現場で入力することで、経理の仕事は軽減されたという。

 5年間CBMS会計を使用する中で、情報処理量の増加によってシステムの安定性と処理能力が低下してきた。また、業務フローにも問題が発生し始めたという。「現場で入力したものの履歴を、現場で見ることができなかった」と野口氏は課題を話す。入力漏れや二重入力が発生する原因となっていた。経理が紙に出力して、財務処理や総勘定元帳を現場に配っていたが、その負担も大きなものだった。

 「この作業をシステム化できないかとクレオさんに相談したときに、情報をWebで開示できるシステム『ZeeM 会計』があることを知り、導入を決めた」(野口氏)。ZeeM 会計は経費精算の入力から履歴の照会までをWeb上でできるシステムだ。「現場で履歴を見れるようになり、経理による情報開示の手間も削減できた。情報システムの負荷も削減した」と野口氏。過去に入力した伝票履歴から似たような伝票をコピーして利用することで、業務の効率化も図れる。Webベースのシステムには、現場で使用するPCのOSが変わっても継続利用できるという利点もある。

 同社の社員は、番組の取材などで全国各地に足を運ぶため、交通費の精算回数が多い。そのため「現場にとって使いやすいシステムにすることが最優先」と野口氏は言う。そのためCBMS会計からシステムの変更を検討する際、社内でアンケートをとった。そこで、「精算が終わったらメールが送信されるシステムにしてほしい」「過去伝票履歴をコピーしたい」といった意見が寄せられたという。「ZeeM 会計では寄せられた要望の95%をクリアできた」と野口氏は笑顔を見せる。

「現場で使い物になる」会計システムの選び方

 野口氏は、経理担当でありながらシステムの導入選定にかかわっている。本来は情報システム部門が担当するような業務も担当しているのだ。「業務プロセスをよく理解している人がITシステムを作らないと、現場では使い物にならない」と野口氏はその理由を話す。同氏は会計システムを紹介するイベントに頻繁に足を運んだり、検討するシステムすべてのデモを見るなど、慎重にシステムを選定してきた。

 ほかにもシステムを導入する際のポイントがあるという。システムに合わせて、会社の業務フローを変更するというのだ。「われわれのような小さな会社の強みだと思うが」と前置きした上で野口氏は続ける。「パッケージ化されているシステムは、一連の作業がスムーズに進行するように設定されている。会社の規定に合わせてシステムを変えすぎてしまうと、リスクが増える。業務フローなどはシステムに合わせて変更すれば、自然と業務改善につながる」という。

 具体的には、日当の計算の項目を減らしたり、承認フローを一元化するなどの変更をした。「システムに一項目増やすより、会社の規定を一項目減らしたほうが効率がいい」と野口氏。このような思い切った導入方法も、現場でシステムを使いやすくする工夫なのである。

「経理なんて必要ない」――究極の会計システムの形とは

 今後、会計システムに求めることはどのようなことだろうか。野口氏は「現行のシステムでは予算の比較はできるが、予算をタイムリーに管理修正できる機能がない」と指摘する。「日々の実績を現場でタイムリーに把握することで、事業計画の修正などに迅速に役立てることができるだろう」と野口氏。管理会計の領域の精度を高め、経理が介在せずに現場で予算を動かすようなシステムが理想という。

 「税務のシステムと会計のシステムを連動させたい。税務申告書まで1つのシステムで完結できれば、経理なんて必要ないですよね」と野口氏は究極の理想像を話した。

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