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» 2008年11月25日 17時00分 UPDATE

SFC ORF2008 Report:「顔が見えるWebサービス」で大学病院と診療所を連携

「慶應義塾大学SFC Open Research Forum 2008」に出展したメディアデザイン研究科の奥出研究室は、病院と診療所間の連携を支援するサービスを開発中だ。安心して任せられる診療所に患者を受け入れてもらいたいという病院の要望を叶える、「顔が見える」Webサービスを提案する。

[杉浦知子,ITmedia]

 慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)が研究成果を一般に公開するイベント「慶應義塾大学SFC Open Research Forum 2008(ORF2008)」が、11月21日、22日に開催された。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の奥出研究室は、「医療プロジェクト」と題した研究成果の発表で、病院と診療所の連携を支援するWebサービスを披露した。

 病院側では、患者の家の近くの診療所に患者を転院させたくても、地域にどのような診療所があるのか把握できず、転院先を見つけるのが困難だという。また、療所が患者を受け入れる際、患者の病名だけでなく、起床時間や食物アレルギーなどの情報が必要となるが、その情報を病院と共有できないために、患者を受け入れる準備ができない事態が発生している。

 同プロジェクトでは、病院と診療所、患者が安心して連携できるように支援するサービスを開発している。「病院と患者、診療所と患者間の連携を支援するサービスは多く開発されているが、病院と診療所をつなぐサービスはあまり存在しない」と話すのは、同研究室に所属する溝口義樹さんだ。医療プロジェクトでは、病院と診療所、患者が安心して連携できるように支援するサービスを開発している。このサービスは、病院から患者を退院させた後、「かかりつけ医」として患者を受け入れる診療所を探し、患者の情報を共有する支援をするSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)形式のサービスだ。

 同サービスでは、患者の退院日が決まると、病院が診療所向けに受け入れ先をSNS上で募集する。告知の内容は、患者の年齢や性別、病名といった基本情報に加え、趣味やアレルギー、宗教、転院先の希望エリアなどを含む。この告知を見た診療所は、患者を受け入れる条件に合致すれば受け入れ希望に名乗りを上げる。受け入れ先の募集から確定、情報共有までをWeb上で提供するサービスだ。

 病院側は診療所の医師の名前や専門科だけでなく卒業大学や顔写真を閲覧できるのが同サービスの特徴。「顔が見えると、安心して患者を任せられる」(溝口さん)ためだ。複数の受け入れ先候補が挙がった場合には、患者に診療所の医師の顔写真の入った情報を閲覧してもらい、患者自身で転院先を決める。

 同サービスは、慶應大学病院と慶應義塾大学医学部の同窓会の会員に提供する予定だ。「これから慶應大学病院と内容を検討し、来年度からサービス化したい」と溝口さんは意欲を見せた。

tsg1125orf.jpg 開発中のWebサービスの概要図

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