IBM、セキュリティコストを削減するソリューションを紹介新サービスの展開も

日本IBMがセキュリティサービスのユーザー企業を対象にカンファレンスを開催。ネットワークセキュリティの新サービスを発表した。

» 2009年03月11日 19時13分 公開
[ITmedia]

 日本IBMは3月11日、セキュリティサービスに関するユーザー説明会を都内で開催した。セキュリティ対策コストの削減をテーマにした事業の取り組みと、ネットワークセキュリティの新サービスを発表した。

荒川氏

 冒頭、ITSインターネットセキュリティシステムズ(ISS)事業部長の荒川朋美氏は、「現在のITシステムにはクラウドに代表される柔軟な運用環境が求められる一方で、セキュリティ面では複雑性が増している。われわれは5種類のサービスフレームワークで企業システムを保護する」と話した。

 5種類のフレームワークとは、ID管理と情報漏えい対策、アプリケーション管理、ネットワーク保護、物理セキュリティで、各分野ではISSやTivoliブランドなどによるソリューションサービスを展開する。荒川氏は、「2008年は最新の脅威に備える研究投資に18億ドルを当てた。System zに始まったセキュリティへの取り組みでは40年の歴史があり、ユーザーには包括的な保護とコスト削減のメリットを提供する」と述べた。

 例えば、ID管理では「Tivoli Identity Manager」を5000人規模の企業が利用することで、年間4000万円の運用コストを削減できるという。これは従前環境が1システム当たり3000万円で10システムを稼働している場合の試算で、運用コストを年間1000万円としている。一方、Tivoli Identity Managerでは1システム当たり1500万円で、運用コストは年間400万円ほどといい、導入コストが7000万円程度になるが、2年間で回収できるとしている。

 情報漏えい対策やネットワーク保護では、ISSのIPS(不正侵入防止)ソリューションが中核をなす。Windowsサーバ300台を運用する企業では、毎月のセキュリティパッチ適用に年間2億4000万円を費やしていたが、IPSアプライアンスの「Proventia」を導入したことで、パッチ適用が年2回となり、コストも1億4000万円削減したという。IPSで事前に脆弱性を突く攻撃をブロックすることにより、パッチ適用に伴うサービス停止などのリスクも軽減した。

クライアントPCの情報漏えい対策では、アフラックの導入が国内最大規模になる

 このほか、AppScanを利用したWebアプリケーションの脆弱性対策や世界8カ国に展開するセキュリティオペレーションセンターでのネットワーク監視受託サービス、監視カメラシステムなどもソリューションの中核を占めている。

 国内向けの新サービスでは、3月下旬から同社が提携するFedelisのIPSアプライアンスでリモートアクセスユーザーからの不正な通信を遮断する機能を提供。クライアント内にP2Pなどのアプリケーションがあった場合に、社内システムへのアクセスをブロックする。また、IPSの仮想アプライアンスを2009年4〜6月期に出荷するという。

 荒川氏は、「これらのセキュリティ機能を統合化し、ソリューションベースで提供できるのがわれわれの強み」と締めくくった。

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