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» 2009年07月31日 17時13分 UPDATE

Next Wave:ブロケードが示したデータセンター市場での優位性

ブロケードが発表した国内事業戦略には、データセンターおよびクラウドコンピューティングの質にかかわる重要なポイントが示されていた。

[大西高弘,ITmedia]

マルチベンダー環境で優れたネットワークを構築するには

 ネットワークベンダーのブロケード コミュニケーションズ システムズ(以下、ブロケード)が24日に行った記者会見では、同社の国内事業戦略が発表された。青葉雅和代表取締役社長は、ワールドワイドでのビジネスの状況は堅調であり、2005年から2008年までの3年間で売上高は37%伸長していることを強調した。また、08年12月に買収したFoundry Networksとの組織統合も完了、同時に09年5月からは日本法人はアジア太平洋地域から独立して、単独のセールスリージョンとなり、組織として新しい一歩を踏み出したことも発表された。

 国内戦略に関する発表の中で柱となったのは、IBMとのパートナーシップ拡大に関連するデータセンター市場への取り組みだ。同社はフォーカスする市場セグメントをデータセンター、サービスプロバイダー、エンタープライズ・キャンパス(企業および学校関係の大規模ネットワーク分野)の3分野としているが、特にデータセンター市場におけるビジネス拡大については大きなチャンスをつかもうとしている。

 青葉社長はデータセンター市場に関して次のように語った。

 「ユーザー企業が社内のデータセンターを統合するという動きから、外部のデータセンターにITインフラを移管する流れが、今まさに進展している。そこで課題となるのは、マルチベンダー環境でいかに優れたネットワークを構築できるかということだ。ネットワークから見た仮想化、そしてクラウド化という意味では、当社は世界の主要ベンダーと10年以上前からパートナーシップを組み、ハイレベルなエコシステムを構築してきた実績がある。データセンター市場における当社の強みはまさにそこにある」

 また青葉社長は今後データセンター市場では、より高いレベルでの品質維持が求められると指摘する。

 「ユーザーからの信頼を勝ち取るには、サーバ、ストレージ、ネットワークそれぞれの技術の標準化を進め、APIをしっかりと公開した上で、検証を重ねていかなくてはならない。標準化といっても、あらゆるケースを想定した細かな検証が必要だ。そのためには、サーバ、ストレージ各ベンダーとわれわれのようなネットワークソリューションベンダーが一緒になって取り組む必要がある」

 ブロケードはこの5月にIBMへのOEM供給を発表している。これはデータセンターのネットワークソリューションの充実が目的となっているが、この取り組みは、まさに前に青葉社長が述べた「データセンターの品質」と密接に関連する。

 「サーバ、ストレージ、ネットワークはデータセンターの中では1つのコンポーネントとして動作する。その上で、各アプリケーションとの連携などがうまくいかなくてはならない。当社がOEM供給をする意味はここにある。緩やかな協力関係では標準化の検証作業が遅れ、実装もなかなかうまくいかない。それでは顧客が安心してデータセンターのソリューションを利用することができない。現在、IBM製のアプリケーションとの連携やイーサネットの相互接続性などの検証も進めている」(青葉社長)

aobasan1.jpg 「優れたデータセンターソリューションは、緊密なパートナーシップから生まれる」と語る青葉雅和氏

 ブロケードは国内で2012年の目標として、SAN市場におけるリーダーシップの維持・拡大、IPネットワーク市場でのナンバー2のポジションの確立を目指している。そのための具体的な施策として、Brocade認定技術者を現在の5倍、最終リセラーの数を現在の2倍、販売・サポート体制の強化として人員を現在の2倍にそれぞれ増加させるという。

 今回、青葉社長が自ら発表した戦略には、ネットワークベンダーから見たクラウドコンピューティングの重要なポイントが示されていた。サーバ、ストレージ、ネットワークが1つのコンポーネントとして確実に動作すること、そしてそれを実現するには綿密な検証作業に裏づけられた技術の標準化が必要、ということだ。これまで概念や総論として語られがちだったクラウドコンピューティングだが、今回の青葉社長の発言のように、今後、具体的で重要な各論が展開されるようになるのだろう。

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